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ブラジルなぎなた協会=安井教士来伯で昇段審査実現=南米セミナー、5カ国32人参加

2025年4月18日

南米セミナーの様子(Foto: Cyro Assahira @cyro.shiro)
南米セミナーの様子(Foto: Cyro Assahira @cyro.shiro)

 ブラジルなぎなた協会(森田泰江会長)は4~6日、サンパウロ市の佐賀県人会館とサントアゴスチーニョ小中学校体育館で南米セミナーを開催した。セミナーには南米5カ国から32人が参加し、練習会と昇段試験が行われた。7日、同協会の森田会長と長谷川知美さん、日本から来伯参加した全日本なぎなた連盟所属の安井みどり教士が編集部を訪れ、成果報告を行った。
 南米セミナーにはブラジル、アルゼンチン、チリ、メキシコ、ウルグアイの選手が参加した。昨年9月にアメリカで世界選手権が行われた際、南米地域の選手から、米国への渡航費の高さやビザ取得の難しさによって国際イベントに参加が困難な選手がいるとの相談を受け、今回の開催に至った。
 4日は27人が参加し、佐賀県人会館で午前9時から午後4時まで、基礎練習、演技競技、試合競技、ミニ大会などを行った。5日はサントアゴスチーニョ小中学校体育館で基礎練習、昇段試験用練習を行った。6日は同体育館で基礎練習、級段審査会を行った。

編集部を訪れた森田会長、安井さん、長谷川さん(左から)
編集部を訪れた森田会長、安井さん、長谷川さん(左から)

 ブラジルなぎなた協会では昇級審査を行うことはできるが、昇段審査は審査員資格を持つものがおらず、行うことができなかった。来伯参加した安井さん(74歳、三重出身)は薙刀歴48年、全日本なぎなた連盟の指導委員長や国際委員長などを務めた人物で、段位審査を行う資格も持つ。
 森田会長は「南米での昇段審査実施を望む声は昔からあり、今回のセミナーで実現できて感無量です」と語った。
 安井さんは約30年前、米国ロサンゼルスで行われた国際なぎなた連盟(INF)の会合に出席。その際にINF加盟申請を行うため参加したブラジルなぎなた協会の宮田薫カルロス会長(当時)らブラジル選手団と知り合い、交流を持つようになった。安井さんは度々自費で来伯指導を行い、近年はオンラインでの指導も行うようになった。
 安井さんは今回で6回目の来伯指導となり、2~7日にかけて滞在した。セミナーではオンラインで指導してきた生徒たちに直接指導を行うことができ、「オンラインではどうしても伝えきれない部分があり、直接教えることができてよかった」と語る。また、「ブラジルの皆さんとはもう長い付き合い。私は自分をブラジルなぎなた選手たちの応援団長だと思っています。セミナーでは、なぎなたの実力だけでなく、次世代の指導や、組織運営力が付いてきていることも実感し、応援してきた甲斐を感じました。長旅は大変だけどお金には変えられない楽しさがあり、生きているかぎり応援を続けたいです」と語った。

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 森田会長は「今回のセミナーでは、私たちが教えきれないところを安井先生が教えてくれました。選手たちも教わっているとき目が輝いていました」と謝辞を述べ、宮田氏の妻の恵美子さんらセミナー開催に協力した関係者への感謝も語った。
 ブラジルなぎなた協会で指導を行う長谷川さん(37歳、2世、四段)は「生徒に間違ったことを教えるとそれがブラジルで広まってしまうので、正しいことを伝えようと頑張ってきました。そうした中で、選手たちが安井先生に上手と褒めてもらっている姿を見ると、指導者としての務めを果たせたと実感でき、すごくうれしかったです。これを励みに指導者としてより活動の幅が広げられるよう五段を目指したいと思います」と語った。


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