ザンベッリ下議=最高裁から10年の実刑判決=モラエス判事への偽造逮捕状で=「女性保守政治家迫害」と抗戦

14日、最高裁第1小法廷でのカルラ・ザンベッリ下議(自由党・PL)に対しての国家法務審議会(CNJ)のコンピューターへのハッキング、偽造の逮捕状の混入嫌疑に関しての審理が結審し、同下議に10年の実刑と、下議任期剥奪の判決が下された。ザンベッリ氏は「政治的迫害」を訴え控訴を示唆しているが、同下議はさらに2件の訴訟を抱えている。同日付フォーリャ紙(1)が報じている。
この審理は2023年1月にCNJのコンピューターに、アレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事に対しての「組織犯罪計画」を理由とした偽造の逮捕状と3件の釈放願いが混入された件でのものだ。
主犯のハッカーはヴァルテル・デルガッチ容疑者で、「ボルソナロ前大統領の部下だったザンベッリ氏からの命令でやった」と主張。同氏に対しては、ザンベッリ氏側近からその報酬と疑われる1万3500レアルの現金の振り込みがあり、同容疑者が犯行を試みた後にその結果をザンベッリ氏宛にシェアしていた記録が残されていた。大統領選挙期間中の2022年8月には、デルガッチ氏が大統領官邸でボルソナロ前大統領と面会した記録も残されている。
この事件に関しての審理は9日から行われ、報告官のモラエス判事はザンベッリ氏の「法制度や民主主義に対する軽蔑と敬意の欠如」を指摘し、10年の実刑判決を言い渡した。この刑期がセミ・アベルトの適用外のため外出が不可能であることから、下議の罷免を勧めた。
モラエス判事に対し、クリスチアーノ・ザニン、フラヴィオ・ジノ、カルメン・ルシア判事が賛成を行った。14日の審理はルイス・フクス判事を残すのみとなっていたが、同判事も賛成したため5対0の満場一致でザンベッリ氏に対して10年の実刑判決となった。
デルガッチ氏に対しては8年3カ月の実刑が科された。同氏は2019年のヴァザ・ジャット報道の元となったハッキングで2023年に20年を超える実刑判決を受け服役中だ。さらに両被告に対し、それぞれ200万レアルの罰金も課された。最高裁への控訴は可能で、罰金は控訴が不能になった時のみに適用される。
ザンベッリ氏の弁護士のダニエル・ビアルスキ氏は「明白な証拠もない上に、第3者の釈放命令というザンベッリ氏の知らない事実に関しても不公平」として控訴の構えを見せた。ザンベッリ氏も「これは保守派の女性政治家に対しての迫害だ」として抗戦の意思を見せている。
ザンベッリ氏の訴訟はこれだけではない。3月には、2022年10月の大統領選の決選投票前日に、サンパウロ市内でからかわれたことに逆上して黒人男性に対して銃を持ち出し追い回した件での審理が最高裁で行われ、5年3カ月の実刑判決を大法廷の過半数で受けそうになったところを、カシオ・ヌーネス・マルケス判事の審理延期の申し出で中断となっている。
サンパウロ州選挙地裁からも今年1月に、2022年の選挙の際に虚報を拡散した嫌疑で下議罷免と8年の被選挙権喪失を言い渡され、控訴を行っていた。