イボベスパ=ブラジル株、史上最高値更新=金利安定とCPI鈍化で

ブラジル主要株価指数のイボベスパが13日、1・76%上昇し、13万8963ポイントで取引を終えた。これは2024年8月の過去最高値を1・18%上回る。政府の歳出抑制見通しや、米国インフレ指標の鈍化に伴う金利安定観測に加え、中銀通貨政策委員会(Copom)が経済基本金利(Selic)の引き締めサイクル終了を示唆したことも投資家心理を支えたと同日付ヴァロール紙(1)が報じた。
この日の取引時間中、13万9419ポイントの最高値に達した。今週の上昇率は1・8%、5月の月間ベースでは2・88%、年初来では15・53%の上昇。取引総額は206億レアルに達し、過去12カ月平均を25%超えた。
ブラジル株の牽引役となったのは大手銀行で、特にイタウー銀行が最も貢献。次いでサンパウロ証券市場(B3)、ブラデスコ銀行が続く。一方、ペトロブラス株価は約10%下落し、上昇を抑える要因となった。
イボベスパ構成銘柄87のうち76銘柄が上昇。米中間の関税緩和が話題の中心から外れつつあり、イボベスパの記録更新を妨げる要因が減少した。資本市場の専門家ルーカス・アルメイダ氏は、「米国の消費者物価指数(CPI)の鈍化が連邦準備制度(FRB)の利上げ圧力を緩和し、金利据え置き観測を強めた」と述べている。
ドルは対レアルで1・34%上昇し、5・61レアルで取引を終えたが、年初来では9・24%下落している。
国内では、13日に発表されたCopomの前回会合の議事録が、中立的な内容として受け取られ、大半の専門家は金利が14・75%で維持されるとの見方を支持。議事録では、中銀が金融引き締めの効果が実体経済に現れ始めていることを認識し、これ以上の引き締めが必要かどうかは、今後のデータに基づいて判断するという柔軟な姿勢が示され、当面は現在の金利水準を維持する方針が強調された。そのため、利下げや利上げが急務ではないとの見解が広がり、金利がしばらく14・75%で推移するとの予測が支配的となっている。(2)
投資会社ジェニアルのテクニカルアナリスト、イーゴル・グラミニャーニ氏は、フィボナッチ投影(価格の上昇や下降のトレンドを基に今後の価格水準を予測するテクニカル分析の手法)を用いて、イボベスパが14万4350ポイントに達する可能性を示唆。第2目標は14万9400ポイント、第3目標は15万7600ポイントに設定され、現水準から13・4%以上の上昇余地があるとされている。
同日、イボベスパ構成銘柄の大半が上昇し、市場は好調を維持した。だが、指数が最高値を記録したことに伴い、多くの銘柄はまだ本格的な反発の初動に過ぎないという点に留意が必要だ。コモディティ輸出企業の株価も、関税を巡る国際対立の沈静化を受け、反応を始めている。現在、ブラジル株市場に上場する多くの銘柄は、依然として大きな上昇余地を残していると報じられている。