CBF=会長解任でサッカー界に激震=アンチェロッティ招聘直後に

ブラジル・サッカー協会(CBF)のエジナルド・ロドリゲス会長が15日、リオ州地裁から解任処分を受けた。CBFは12日に伯国代表監督にレアル・マドリッドのカルロ・アンチェロッティ氏を発表した直後だけにサッカー界に激震が走っている。
エジナルド会長の解任理由は、予てから疑問視されていた会長選出に関する協定における偽造署名の問題だった。この署名は今年の2月に行われていたが、委員の一人「ヌーネス大佐」ことアントニオ・カルロス・ヌーネス・ダ・リマ氏が、86歳と高齢である上に認知障害や水頭症を患うことから、本人の署名ではないとの疑問の声が上がっていた。(1)
CBFでは2017年と21年に会長がスキャンダルで相次いで解任され、それに伴い選出方法も問題にされたことで誰が正当な継承者かの定義が曖昧になっていた。そこで2022年にCBFは連邦検察庁と組み、対応改善誓約書(TAC)を結んでいた。
だが協会内部で強い反発が起き、2021年から代行として会長に昇格していたエジナルド氏も、TACを無効としてこれまでも数度、裁判所から解任されてきたが最高裁のジルマール・メンデス判事の判断で会長職にとどまっていた。(2)
2月の協約はこの問題に決着をつけるためのものだった。ところが署名の真偽が疑われたことで、先週最高裁にエジナルド氏解任要求が起こっていた。この際、メンデス判事は却下していたが、署名の鑑定をリオ州地裁に任せる判断も行っていた。
リオ地裁のガブリエル・ゼフィロ判事は12日にその件に関する聴聞会を行い、ヌネス大佐が召喚したが、本人が出席しなかった。そこで同判事は、ヌネス大佐には認知障害、水頭症、めまい、運動失調症があるとする2023年5月の診断書に基づいて、15日に偽造判断を下した。(3)
会長職は副会長で在任が最長のフェルナンド・サルネイ氏が会長代行となる。アンチェロッティ氏がセレソン監督に決まった直後の騒動だけに、国際的に不安視する報道が行われているが、サルネイ氏は「監督の契約をいじるつもりはない」と語り、できるだけ早期の会長選挙を行いたいとしている。
一方、エジナルド氏はリオ地裁からの命令を不服とし、最高裁に訴えるとしている。