マルフリギ=世界規模の食肉大手誕生=BRF全株式取得を発表

食肉加工大手マルフリギが、ブラジル・フーズ(BRF)の全株式を取得することを定めた契約を締結したと、両社が15日に発表。これで、動物性タンパク質業界において世界規模の大手企業が誕生し、年間売上高は1520億レアルに達する見込みだと同日付エスタード紙(1)が報じた。
マルフリギはすでにBRFの50・49%の株式を保有しており、今回の取引によりBRFはマルフリギの完全子会社となる。新たに誕生する企業の時価総額は500億レを超え、120カ国で事業を展開する規模に達する。従業員数は約13万人で南米、米国、中東、中国などに事業基盤を持つ。
この取引により、マルフリギは引き続きサンパウロ証券取引所(B3)に上場し、社名を「MBRFグローバル・フーズ・カンパニー(MBRF Global Foods Company S/A)」に変更する方針だ。
提案された株式交換比率に基づき、マルフリギを除くBRF株主はBRF株1株に対しマルフリギ株0・8521株を受け取る。この交換比率は、シティグループなどの独立した委員会の助言を受けて決定。株主総会は6月18日に開催され、提案の承認が行われる予定だ。
この取引は、国内外の市場で重要なプレゼンスを持つ動物性タンパク質プラットフォームを創出し、規模拡大、効率化、多様化を進める戦略的な一歩となる。年間4億8500万レのシナジー効果が見込まれており、売上増加やコスト削減に加え、年間3億2千万レの運営費用削減、税金面での利益も期待されている。
BRFのブランドであるペルジゴンやサジアは、国内市場や中東諸国におけるハラール(イスラム教の戒律に従って処理された食肉)市場でのプレゼンス強化が見込まれ、流通チャネルの拡充も期待されている。
この統合は、国際化戦略と資金調達における重要な進展を示しており、直接上場により株式の流動性が増し、企業統治の向上とともに、より多くのグローバル機関投資家を引き寄せることが期待されている。ニューヨーク証券取引所で直接取引される普通株の採用は、企業が主要な国際投資ファンドへのアクセスを容易にし、資本コストを削減する可能性を秘めている。
15日付グローボ・ルラル(2)によると、BRFは2025年第1四半期に純利益11億2千万レを達成し、前年同期比で122・7%増加。鶏肉と豚肉市場の好調が影響し、利息・税金・減価償却及び償却前の収益(EBITDA)は28億レ、売上高は16%増の155億レとなった。負債レバレッジは0・54倍に低下し、財務状況が改善された。
一方、マルフリギは純利益が40・3%増加して8800万レとなったが、北米事業は低い牛供給と高コストの影響を受けて業績が悪化。南米事業は殺処理能力の増加と工場最適化でEBITDAが56・2%増加した。