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今年の経済成長率は?=財務省が若干上方修正

2025年5月21日

財務省が今年の成長予測を上方修正したと報じる19日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部
財務省が今年の成長予測を上方修正したと報じる19日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

 財務省経済政策局(SPE)が今年の経済成長率予測を2・3%から2・4%に上方修正したマクロ財政速報を発表したと19日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。財務省は国内総生産(GDP)だけでなく、広範囲消費者物価指数(IPCA)によるインフレ率の予測も4・9%から5%に引き上げた。 GDPの成長予測は、農業の収量予測が上方修正されたことと、第1四半期の成長予測が1・5%から1・6%に引き上げられたことを受けて見直された。第1四半期の正式なGDP成長率は6月に発表される予定だ。
 SPEは穀物類の収量予測増を受け、農業のGDP成長率予測を6%から6・3%に引き上げた。サービス業の成長予測も1・9%を2%に引き上げたが、工業部門は2・2%で据え置かれた。
 なお、SPEは今年後半の経済は減速すると予想。来年の成長予測は2・5%で据え置かれた。
 IPCAの見通しが上方修正されたのは3月の指数が予想外の動きを見せたためで、インフレ率低下が定期的に感じられるのは9月以降との見解も示された。
 マクロ財政速報の数値は22日に発表される歳入歳出評価報告書に使われる。同報告書は歳入実績と政府の支出予測に基づいた予算執行予測を示し、一部の計算にGDPとインフレ率が含まれる。22日は、財政均衡法を順守するために必要な対策も発表される見込みだ。(2)
 19日は、第1四半期の経済成長率に関する中央銀行の経済活動指数(IBC‐Br)とジェトゥリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)のGDPモニターも発表された。
 IBC‐Brは経済基本金利(Selic)を決める際の基本資料の一つで、第1四半期は前期比で1・3%増(季節調整済み)だった。この値は昨年同期の3・7%増を下回る上、3月も3・5%増が0・8%増となるなど、前年同期比での指数は下がっているが、いずれの指数も市場の予想を上回っている。(3)
 他方、インフレは2カ月連続で前月比減だったため、市場はSelicは上げ止まりと見始めているが、ガリポロ中銀総裁はこの日、インフレが安定、鎮静化するまでは高金利を維持する姿勢を見せている。金利が下がり始めるのは26年となる見込みだ。(4)
 FGVのGDPモニターはもう少し数字が大きく、第1四半期は前期比で1・6%増、前年同期比では3・1%増を記録。12カ月間の累計では3・5%成長した。同モニターは地理統計院(IBGE)が発表する公式GDPのプレビューとされている。(5)
 FGVのジュリアナ・トレイス氏は、第1四半期は農業が12・2%の力強い成長を見せ、サービス業も1・3%成長したと強調。これにより、第1四半期の結果は24年後半から観測されていた経済の下降傾向を反転させたと語った。ただし、工業は殆どの部門が成長を記録したものの、製造業が落ち込み、全体の業績を押し下げた。
 家計消費は前年同期比で2・7%増えたが、24年第4四半期の3・7%を下回り、減少傾向が続いている。また、投資の動向を示す総固定資本形成(GFCF)も前年同期比で6・7%増で、24年第3四半期の10・8%以降、減少傾向にあるという。


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