ADESC第15回児童絵画教室=日本のコンテストは無くなっても開催

ADESC(農協婦人部連合会、飯田ミリアン会長)主催の児童絵画教室が5月17日(土)、サンパウロ市リベルダーデ区の宮城県人会館で開かれた。
絵画ワークショップには、レジストロ、イタペセリカ・ダ・セーラ、ピラール・ド・スール、コロニア・ピニャール、サウーデ日本語学校、ツクルビー日本語学校、タボン学園などサンパウロ州各地の日本語学校の6歳から15歳までの生徒ら124人とその父兄、日本語教師らが参加した。
この絵画教室は日本の農業組合(JA)の出版団体である社団法人・家の光協会が発行する月刊誌「家の光」が「世界こども図画コンテスト」と題し、1993年から世界各地の子供たちの絵を集め、32回にわたってコンテストを行ってきた。ブラジルからはADESCを通して参加。長年にわたって、ブラジルの児童の絵を日本に送り、数多くの賞を受賞してきた経緯がある。
しかしながら、日本の予算不足からか、コンテストは昨年で終了を決定。今年からは日本へ送って世界の子どもたちと絵画で交流することは無くなってしまった。
ADESC指導員の栖原マリーナさんは「日本には送れなくても、無くなっちゃったら楽しみにしている子どもたちが可哀そうでしょう。せっかく子どもたちの絵も上手になってきているのに」とその意義を語り、ADESCで一念発起。
昨年に続き、ブラジル農業拓殖協同組合中央会(農拓協、岡村エミリオけんじ会長)から資金面で援助を受け、開催を決定。イタペセリカ・ダ・セーラの田畑稔さんからも支援を受けて、ブラジルだけでのことではあるが、今年も無事、絵画教室開催の運びとなった。
開会式では92歳になる田畑さんが「皆さんの元気な姿を見てエネルギーを頂き、もっともっと長生きしなくては、と思っています。素晴らしい図画を描いて楽しい一日でありますように」とエールを送った。
またピラール・ド・スールの岡田エリーナ先生からは「忙しい中、ADESCの皆さんは何度も何度も集まって、絵画教室の準備をして下さいました。感謝の気持ちを忘れずに、楽しく描きましょう」と見えない貢献を子どもたちに分かりやすく伝えた。
講師をずっと務めている画家の追田綾子さんは、年齢別に壁に貼った8枚の画用紙に少しずつ手本を描いていく。生徒たちはそれを見ながら同じように筆を走らせる。追田さんは会場をグルグルと回りながら各年齢別絵画を描き、大忙しだ。子どもたちはそれを真似ながらも、それぞれのタッチで自分の絵を完成させていった。
6歳の時から毎年参加しているというピラール・ド・スールの斎藤とみえさん(15)は「違う学校の子と話をしながら描けるのが楽しい」と笑顔で話す。
ADESCの飯田会長は「日本文化は大切なので、できる限り続けてゆきたい」と熱く語った。