イスラエル=国際的活動家の人道船拿捕=グレタ氏やブラジル人のチアゴ氏ら

国際的に知られる環境活動家グレタ・トゥーンベリさんらの国際活動家12人を乗せ、ガザ地区を目指していた人道支援物資船が現地時間の9日未明、イスラエル軍に拿捕された。活動家の中にはブラジル人も含まれていた。同日付UOLサイト(1)(2)が報じている。
グレタさんらを乗せた人道船マドリーン号は今月1日にイタリア南部シチリアを出航した。同船は出航時から、戦火のパレスチナ自治区ガザに米や衣料品、医薬品などの人道支援物資を届けに行くと宣言しており、世界中が注目していた。
だが、イスラエル政府はガザ地区に向かう船は一切認めないと宣言し、同船の到着を阻むよう軍に指示。同国軍は国際水域で同船を拿捕し、イスラエルの港に乗組員らを連行した。
この船は国際的な活動家連合「フリーダム・フロティア」が運航しており、グレタ氏や欧州議会議員、ブラジル人のチアゴ・アヴィラ氏らの活動家12人が乗っていた。
チアゴ氏は1986年ブラジリア生まれの環境活動家で、20歳の時、ボリビアでのエヴォ・モラレス氏の大統領選当選に刺激され、メキシコの先住民運動やハリケーン被災のキューバの訪問などに参加。さらにアンデスの先住民の哲学を基にした「ベン・ヴィヴェール運動」を創始し、ホームレス労働者運動(MTST)の連邦直轄区支部の立ち上げにも参加した。また、社会主義自由党(PSOL)から下議選に出馬して落選した経験も持つ。
2021年には連邦直轄区の住人立ち退きに反対し、2度の逮捕を経験。今年5月には別の人道支援船に乗り組み、ドローンからの空襲を逃れていた。
チアゴ氏は拿捕された後、自身のインスタグラムで、「この動画を今あなたが見ているということは、私が拉致されたということだ」との投稿を英語で行っている。
ブラジル外務省は9日朝、声明を出し、チアゴ氏らのマドリーン号乗組員たちの即時の解放を要請。イスラエルは占領国として、パレスチナ領土への人道支援物資流入に対する全ての制限を即時撤廃する必要があることも強調した。