コロンビア=大統領候補銃撃され危篤=15歳少年をすでに逮捕

7日、コロンビアの大統領選野党候補のミゲル・ウリベ上議(39歳)が頭を撃たれて重体となっている。同日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
事件は7日、首都ボゴタのフォンチンボン地区で行われていたウリベ氏のキャンペーン・イベントの際に起こった。ウリベ氏は背後から銃弾2発を浴び、その他にも2人が負傷した。現場では銃を所持していた15歳の少年が逮捕された。
ウリベ氏はボゴタ市内の病院に運ばれたが、危篤状態で、8日未明に神経外科手術と末梢神経手術の二つの緊急手術を受けた。
ウリベ氏夫人のマリア・クラウディア・タラソナさんは「夫は今、命を懸けて戦っている」と、SNS上で報告を行っている。
同国のペトロ大統領はこの事件に関する捜査を命じた。だが、同大統領はウリベ氏の名前を出さずに、「この国の暴力は永遠だ。ボゴタのアラブ人の女性を殺し、今度はその息子まで殺そうとするとは」と、1991年にメデジンの麻薬カルテルのグループに人質に取られ、殺害されたウリベ氏の母親でジャーナリスト、ダイアナ・トゥルバイ氏について触れた。この対応をめぐり、野党や米国などからは批判の声が上がっている。ペトロ氏は大統領選の対立候補であるウリベ氏から、治安の甘さなどで強い批判を受けていた。
ウリベ氏は1986年に、1978〜82年に同国大統領を務めたフリオ・トゥルバイ氏の孫として生まれた。5歳で母親を失うも、米国ハーバード大学で法学の修士号を取るなどした後、2012年に26歳でボゴタ市議、2018年には32歳で上議にトップ当選を果たすなど、若手の有望な政治家として見られていた。
ブラジル外務省は「いかなる形でも暴力は許されない」と、事件に対して強い非難を行っている。
9日付G1サイトは、医療介入や処置に対する反応はほとんどなく、依然として危篤状態にあるとの病院関係者の声を報じている。