ブラジル・カリブ海諸国会議=食の安全などが中心議題に

【既報関連】外務省が9日、ルーラ大統領が同日の国連海洋会議でも言及したブラジル・カリブ海諸国首脳会議に関する情報を前倒しで発表したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
この首脳会議は13日にブラジリアで開催されるもので、外務省は会議後に発表される文書の草案を準備している。
外務省ラ米・カリブ海地域担当官のジゼラ・パドヴァン大使によると、これまでに開かれた参加国の代表者会合で定められた最終文書のための合意5項目は、食と栄養の安全保障、気候変動、エネルギー転換、リスク管理、連結性だ。
現時点で参加すると連絡が入っているのは国家元首(大統領)8人と政府代表(首相)6人で、副大統領や国際機関、地域諸国の関係当局者の参加も見込まれているという。
同大使は、ラ米・カリブ海諸国間の統合アジェンダはルーラ政権の優先事項であるとも語った。これは、ルーラ大統領が孤立した状態ではいかなる国も問題を解決できないと戦略的に考えているためで、「我々は共に立ち上がり、団結する必要がある。世界における同地域の代表制は、強固な地域基盤と立場の調整にかかっている」とも強調した。この地域は4千万人が小国に分散して住んでいるため、各国間の関係改善による商業面などの進展が期待されている。
項目毎の説明もあり、食と栄養の安全保障については、前回会合で人口2億人強のブラジルが16億人分の食料を生産できるという事実について議論したと発言。同地域の国々はブラジル産食品を大量に購入しているが、港湾交易ルートが不足しており、最終目的地に到着する前に米国に輸送される必要がある。この点は観光業も同様で、まずマイアミに行く必要があるという。同氏は、ブラジルはブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)や国家配給公社(Conab)との協力を通じて、他国との協力関係を築いていることも強調した。
ルーラ大統領が海洋会議で言及した海洋の持続可能な利用と関連がある気候変動については、カリブ海諸国や島嶼国における海面上昇の影響を考慮するなど、諸国間で統一された立場を示すことが望まれている。また、エネルギー転換は気候変動と相関関係にあるため、リスク管理の問題として関連付けられている。
リスク管理に関しては、従来の会合で六つのメカニズムの存在が確認されており、現在は、情報交換のためにこれらの六つのメカニズムを調整する構想が進められているという。
五つ目の連結性は陸路や海路による港湾へのアクセスを目指すインフラ問題と航空路線の拡大、地域諸国間の航空便の増便、観光業までを含んでいるという。