site.title

IOFの増税修正案=MP発令は時間の問題

2025年7月10日

下院での公聴会は口論後に閉会と報じる11日付G1サイトの記事の一部
下院での公聴会は口論後に閉会と報じる11日付G1サイトの記事の一部

 ハダジ財相が10日、金融取引税(IOF)の税率引き上げに関する修正案をルーラ大統領と協議し、連邦議会に暫定令(MP)を提出すると同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
 10日にハダジ氏が大統領に提出したIOFの増税修正案は、8日に上下両院議長に提示したものだ。ハダジ氏は会談後、「大統領にも提示したから官房長官に送付する。今日中にも官房長官の机上に届くはず」と語った。(3)(4)
 IOFの税率引き上げは、5月に行われた2カ月毎の財政収支報告の際、財政均衡法順守のための予算凍結などと同時に発表された。
 だが、この引き上げ案は不評で、多方面から苦情が殺到。発表当日に一部が修正された上、財務省が修正案を検討。上下両院議長との会合は議会によるMPの否決やそれに伴う混乱を避けるために開かれた。
 財相は8日夜の会合後、IOFに関するMPを議会に送る意向を表明したが、その時点で言及した大統領への最終案提示も終えたため、MPが出されるのは時間の問題となった。
 財務省が準備したIOF修正案は、5月に発表されたIOFの税率引き上げを相殺するため、財政責任法と財政枠組に違反しない範囲で歳入を確保することを目指している。
 財相は8日夜、最終修正案は「信用システム、証券所得税の徴収、その他の関連事項における歪みを是正する措置で、賭博問題にも対処することになる」「IOF法令を改訂し、その規則面を新版の焦点に据えることで、当初の法令で規定されていた税率を引き下げることができる。当初の法令も併せて改訂される」と述べた。
 財相は、変更点にはリスクの固定部分の廃止と日次部分の再改定が含まれ、IOFの変更命令の全項目が見直されるとし、賭博会社の総賭博収益(GGR、掛け金額と支払われる賞金額との差額)に対する税率を12%から18%に引き上げるとも述べた。
 また、現在は所得税(IR)が免税されている農業信用状(LCA)や不動産信用状(LCI)その他の投資にも5%のIR課税を適用。金融機関に課される純利益に対する社会保険料(CSLL)は15%か20%となり、9%という税率は廃止される。
 また、憲法に抵触する税制上支出を最低10%削減し、基礎的支出に関しては議会と協議することで合意したことや、議会には既に提出済みの提案や審理中の提案があることも明らかにした。また、4~6年前に負担されたが財源が確保されないまま法案が提出された経費が現在の連邦歳入を圧迫しているとも述べた。
 なお、ウゴ・モッタ下院議長は、5月発表のIOFに関する法令は上下両院に大きな不快感をもたらしたため、見直しを求めたこと、8日に見直した法令は最初の法令が与える影響を大幅に軽減する調整を行っていると認めた上で、8千億レに及ぶ影響を与える可能性がある免税措置は近日中に見直す予定だと語った。
 9日付G1サイト(5)(6)は、再調整項目として企業向けIOFクレジット(信用)の削減、運用リスクの80%削減、生存保険料付生命保険(VGBL)のIOF削減、信用投資ファンド(FDIC)への最低金利適用、金融投資や資本市場へ投資する場合の国内への外国直接投資回収に対するIOFの免除を列挙。同時に、歳入減補填案として、スポーツくじ(BET)への課税引上げ、金融システムの税制標準化、証券市場の歪みの是正と税制の公正化による損益の相殺可能性拡大、乱用的な相殺回避のための税額駆除相殺ルールの改善、暗号資産への課税を挙げている。
 財相はCLIやCLAなどに対する免税額は失業保険や経済活性化計画(PAC)の負担額を上回る410億レの費用を要する上に、その半分以上は各部門に届いていないとしているが、農業界や建設業界は強く批判。農牧業議員や野党からも強い反発が出ており、モッタ下院議長が議会からは非常に強い抵抗を受けるだろうとの見解を表明。11日は下院で同件に関する公聴会が開かれ、暴言気味に修正案を批判する野党議員らに財相が言い返し、野党議員らが退場する場面も見られた。(7)(8)(9)(10)


アルゼンチン最高裁=キルチネル氏の有罪確定=公職追放で左派に大打撃前の記事 アルゼンチン最高裁=キルチネル氏の有罪確定=公職追放で左派に大打撃クーデター疑惑審理=ボルソナロが質疑応じるも=モラエス判事に謝罪、冗談も=緊迫対面の予想とは裏腹に次の記事クーデター疑惑審理=ボルソナロが質疑応じるも=モラエス判事に謝罪、冗談も=緊迫対面の予想とは裏腹に
Loading...