南極からの寒波続く=州都でも最低記録更新

南極からの寒気を伴う寒冷前線が11日にサンパウロ州とリオ州の沿岸を通過したことで、中南部は14日まで寒波に覆われた状態が続くと12日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
クリマテンポ予報官のジョゼリア・ペゴリン氏によると、最初の寒気は8~9日にブラジル上空に入っており、寒冷前線と共に入った第2の寒気の影響は14日まで続くという。
予報官達は南部と南東部では今後数日間、今年最も寒い午後になると予想している。一例は国立気象観測所(Inmet)で、12日の最低気温は、リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレで6度、パラナ州クリチバで5度、サンパウロ市で9度など、最低気温が10度を割る州都が複数出ると予想している。
また、南部3州とサンパウロ州、リオ州、マット・グロッソ・ド・スル州とミナス州の南部では平年の平均気温を5度以上、エスピリトサント州、マット・グロッソ・ド・スル州北部、ミナス州中央部、ゴイアスとマット・グロッソ州、ロライマ州の南部、アマゾナス州南西部、アクレ州では平均気温を3~5度下回ると見ている。
また、週末までの最低気温が零下または0度近くなる地域がある他、南部3州やサンパウロ州とミナス州の州境では霜が降りると見られている。
降霜は大気中の湿度が高い時に急激に気温が下がり、地表に薄い氷の層ができるもので、リオ・グランデ・ド・スル州では10日も、最低気温零下1・2度を記録したパジェ、零下0・5度を記録したドン・ペドリト、零下0・1度を記録したクアライーなどで降霜を見た。
11日にはサンタカタリーナ州サンジョアキンで零下6・5度を記録したのを始め、山間部の諸市で零下を記録。降霜も見た。
高気圧と強い寒気団による寒波は、最低気温が0~3度程度となると予想されるサンタカタリーナ州とパラナ州の境界部を中心に降霜をもたらす見込みだ。
Inmetは9日の時点で、サンパウロ市では今週末に向けて寒くなり、13日には最低気温7度を記録すると予想したが、サンパウロ市防災局では11~14日の最低気温は2度まで下がり得ると見ている。サンパウロ市は天気がぐずつき、9日の時点で今月の平均降水量の47・9ミリの50%を超える24・1ミリを記録。最高気温も低い状態が続いている。
11日に南東部沿岸部を通過した寒冷前線はリオ市でも気温低下を引き起こしており、12日未明にはジャカレパグアで今年最低となる13・2度を記録。12日は最高気温も21度で、今年最低と見られている。
サンパウロ市では、6度を目安に路上生活者を収容施設に運んだりする対策を強化するが、今回の寒波は、南東部に雨と気温低下をもたらすと見られており、路上生活者や農業生産者などは特に要注意だ。
中西部の天候は安定しているが、マット・グロッソ・ド・スル州の南部や南西部では霧が出る可能性があるという。
寒冷前線はバイア州沖まで進むと見られ、北東部ではバイア州沿岸中央部で強い雨、バイア州南部とリオ・グランデ・ド・ノルテ州東部海岸では中程度から激しい雨が予想されている。マラニョン州中部は熱帯収束帯(ITCZ)の影響で降水量が増えており、強い雨が予想されている。
北部ではアマゾナス州北中部、ロライマ州、パラー州北中部、アマパー州で雨が続いており、アマゾナス州北西部とロライマ州西部に暴風雨警報も出ている。(3)(4)(5)(6)(7)