ベルガモ氏=「ボルソナロ10月までに逮捕」=著名ジャーナリストが発表=被告人質問後の関係者取材で

10日に最高裁第1小法廷でのクーデター疑惑に関する核心1の被告に対する被告人質問が終わったことで、同グループの公判では求刑や判決の言い渡しに向けた手続きが始まることになる。これに関し、ボルソナロ前大統領の側近らが、ボルソナロ氏は10月までに逮捕され、実刑を受けることになるであろうと予想しているという。幅広い人脈を持つことで知られる著名ジャーナリストのモニカ・ベルガモ氏が11日付フォーリャ紙の自身のコラムで明らかにした。(1)(2)(3)
10日に最高裁での質疑を終えたボルソナロ前大統領たちは、審理の最終段階を待つのみとなっている。これに関するボルソナロ氏の関係者の見通しは明るくなく、遅くとも10月には逮捕されるだろうとの見方が出ている。この見方は関係者全体で共通したものとなっており、前大統領自身や家族もその可能性に関して検討を始めているという。
クーデター計画疑惑の中で最も重要な役割を果たしたとされ、ボルソナロ氏を含む「核心1」の被告に対する被告人質問は10日に終了。被告の弁護士は5日以内に新たな釈明を行うことを要請することが認められており、各々の請求を報告官のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が判断することになっている。だが、ここで要請が却下される可能性もかなり強いと見られている。
それが終わると、モラエス判事は連邦検察庁に対し、15日間の内に最終弁論を行う命令を出すことになっているが、ボルソナロ氏たちは全員、有罪とするようにとの求刑を受ける可能性が高いと予想されている。その後、司法取引に応じたマウロ・シジ被告が15日間、再証言を行い、それに対してボルソナロ氏らの弁護団が無罪を主張することになる。
この段階までが7~8月に終了すると見られている。最終弁論の期限は定められていないが、被告の弁護側によると、モラエス判事は8月に最終弁論を予定しており、その後に判決を言い渡す日取りを調整することになるという。
ボルソナロ氏はこの段階で有罪判決を受けると予想されており、9月には弁護士が上告を行うことになるが、モラエス判事はすべての控訴を棄却すると見られている。控訴棄却で刑が確定すれば、10月にはボルソナロ氏らが逮捕され、実刑を受けることになると見られている。
ヴェージャ誌によると、ボルソナロ氏が10日に行った質疑応答に関しては、擁護派の間で、前大統領が全ての質問に答え、冷静さを保ったと評価する声があり、カトリック大学リオ校のアウリ・ロペス・ジュニオル教授のように、「クーデターとの関わりを否定するためによく練られたものだった」と評価する声もある。
だが、同誌から取材を受けた数人の最高裁判事たちの見方はそれと異なる。彼らはボルソナロ氏がその答弁で、軍総司令官らと会談を行い、選挙結果を変えるための代替案を探ろうとしたことを自ら認めたとの見方を固めているという。
先述のロペス教授も、「被告が罪を否認するだけでは容疑を弱めるには不十分であり、最高裁の他の判事が他の証拠と照らしわせてボルソナロ氏を分析するだろう」との見解を示している。
12日19時現在でネット検索した限りでは、「10月までに逮捕」という踏み込んだ言及までしているのはベルガモ氏のみ。複数の媒体では「今年中に審理終了し、逮捕の可能性がある」という見方をしており、状況は引き続き流動的といえそうだ。