連警=前大統領次男らを書類送検=非公式諜報組織結成の嫌疑で

連邦警察は17日、ボルソナロ政権時に、公式な諜報機関「ブラジル情報庁(Abin)」内部に非公式の諜報組織を創り、スパイ活動を行っていた嫌疑で、Abin元長官のアレッシャンドレ・ラマジェン下議(自由党・PL)とボルソナロ前大統領次男でリオ市議のカルロス氏(PL)らを書類送検した。同日付UOLサイト(1)が報じている。
スパイ活動疑惑は「並行Abin」とも呼ばれ、ボルソナロ政権当時、現職のリオ市議でありながらプラナルト宮に頻繁に出入りし、連邦政府の非公式ネット組織「憎悪部隊」を率いていたとされるカルロス氏が関与していると予てから囁かれていた。
並行Abinはイスラエルからの盗聴システム「ファーストマイル」を不法に使用し、ボルソナロ氏と対立する政治家やジャーナリスト、司法関係者の盗聴や行動監視を行った疑いが持たれていた。
ラマジェン氏はクーデター計画疑惑でも、最も中心的な役割を果たしていたとされる「核心1」の被告となっており、それに続く書類送検となった。
今回、書類送検を受けた中にはAbin現長官のルイス・フェルナンド・コレア氏も含まれている。同長官はパラグアイと伯国が共同で運営するイタイプ・ダムのパラグアイ側の資料をハッキングした疑惑を持たれており、並行Abinに関しても、連警の捜査妨害を試みた嫌疑が持たれている。
また、現スタッフの中ではナンバー2のルイス・カルロス・ノブレガ氏や同組織監査委員のジョゼ・フェルナンド・チュイ氏も含まれている。書類送検対象者は全部で約30人となっている。
連警の捜査報告書は最高裁から連邦検察庁に渡され、同庁による検討後、最高裁に対して起訴されるか否かが決まる。
なお、一部報道では当初、ボルソナロ前大統領も書類送検の対象となったと報じられたが、それは誤報だった。
ラマジェン氏とカルロス氏は並行Abinの存在を否定し続けており、カルロス氏は、「ルーラ政権下の連警なら2026年の選挙を控えた時期にこうしたこともするだろう」と無実を訴えている。