高齢者への犯罪厳罰化=改正案を承認、裁可へ

下院が16日、高齢者や障がい者の健康、身体的または精神的完全性を危険にさらす犯罪に対する罰則や無能力者の遺棄及び虐待に対する罰則を強化する高齢者法や改正法案(PL)4626/2020を可決したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
同法案は2021年に下院が承認したものだが、上院が修正を加えたため、下院に差し戻された。下院は上院が加えた修正(刑罰強化、文書による裁判所命令なしまたは現行犯の児童・青少年の逮捕における特別裁判所の管轄権排除)をそのまま認め、大統領裁可に回した。
高齢者や障がい者に関する部分では、懲役6カ月~3年と罰金だった無能力者遺棄罪の刑罰が懲役2~5年と罰金に引き上げられる。また、遺棄によって人が死亡した場合の刑罰は懲役8~14年と罰金、重傷を負った場合の刑罰も懲役3~7年と罰金に引き上げられる。
虐待罪にも同様の刑罰強化が行われ、重傷または死亡という加重状況では、従来の懲役1~4年と懲役4~12年が懲役3~7年と懲役8~14年に引き上げられる。いずれの場合も罰金刑を伴う。
虐待は、自らの権限や保護、監督下にある人の生命や健康を危険にさらすことを特徴としており、食料や基本的なケアを奪うことや、矯正手段や懲戒手段を乱用することなどが含まれる。
法案起草者のエリオ・ロペス下議(自由党・PL)は、この提案は高齢者や子供、最も弱い立場にある人々への虐待犯罪への対応策でもあると強調。シコ・アレンカール下議(社会主義自由党・Psol)は、上院の修正案は社会で最も弱い立場にある人々に対する犯罪行為への罰則を強化するもので正しいとし、「高齢者と子供への敬意をより高める必要がある」とも述べた。