リオ・グランデ・ド・スル州=今年も107市で水害発生=3人死亡、6千人が避難生活

【既報関連】16日からの雨で、リオ・グランデ・ド・スル州では20日18時の報告で107市で被害が発生。死者も3人に増えた上、1人は行方不明となっている。また、親戚や知人宅、避難所に退避している人は6千人以上と20日付ゼロ・オーラ・サイトなど(1)(2)が報じた。
18日夜の時点で被害が報告されていた市は68、死者も2人だった(3)が、国立観測所などは同日、今後数日間は1時間に60~100ミリの雨が降ると予測。広域に、タクアリ川などの川の増水や洪水その他の災害が起きるリスクが高いことを示す赤レベルの警告を出した(4)(5)。被災市は雨脚が少し弱まった19日夜の時点で90(6)(7)、雨が再び強まった20日の昼過ぎには98、夕刻には107に増えた。
また、19日午後には、サプカイア・ド・スル市で倒木が車を直撃し、運転していた男性が死亡。身元は未確認だが、20日朝、雨による死者に加えられた。同州では17日も、カンデラリア市のジェネシ・バルボーザ氏(54歳)とノヴァ・ペトロポリス市のマリオ・セーザル・ゴンサルヴェス氏(22歳)が濁流にのまれた車の中から遺体で発見されており、死者が3人に増えた。ジェネシ氏と同じ車に乗っていた64歳の夫は行方不明のままだ。(8)(9)(10)(11)
また、20日18時の防災局の発表によると、被災107市では、4515人が親戚や知人宅に、2020人が避難所に退避している。内697人は川の増水などで孤立化し、消防に救出された人達だ。動物も134匹(頭)救出された。
被災98市の状態は様々で、ジャグアリ市は19日に非常事態を宣言。同市内を流れるジャグアリ川の水位は通常を12・8メートル上回り、複数地区で洪水が発生。家屋への浸水や孤立化などで300世帯に直接的な被害が及んでいる。
また、ドナ・フランシスカ、セロ・ブランコ、アグード、ノヴァ・パルマ、クルゼイロ・ド・スル、パッサ・セッテ、サンセバスチアン・ド・カイー、カセキ、ロザリオ・ド・スル、ツパンシレタンの各市は緊急事態を宣言している。
20日朝、孤立世帯の救出作業が行われたのはカルボニフェラ地方サンジェロニモ市で、洪水位を1・5メートル上回る6・13メートルまで増水していたジャクイー川が内陸部で降った雨でより増水することを見越した消防士達が、シダーデ・バイシャ地区住民を安全な場所に移した。20日昼過ぎまで48時間で行われた救出作業は、18日のカシアス・ド・スル市など10回とされているが、同様の作業はまだ続いている。(12)
被災98市の中には、ポルト・アレグレ市やカノアス市など、24年の大水害でも甚大な被害を受けた市が含まれており、再び浸水被害に遭うのを恐れ、市や州からの避難勧告前に自宅を離れた人達も大勢いる。(13)(14)
エドゥアルド・レイテ知事は18日、同州は大雨に対する対策ができているとし、24年以上の水害は起こらないとの見方を示した。(15)
気象学者のマリア・クララ・ササキ氏は20日、この雨はこの時期特有のもので、24年の異常気象後の雨の蓄積と同州の脆弱性の故に注目を集めているが、24年ほどの被害は起きないと説明した。(16)
今回の雨による州道封鎖は20日朝の時点で31カ所(全面封鎖19カ所、部分封鎖12カ所)に上っている。また、23年の豪雨や24年の大水害以降、全面または部分封鎖が続いている所も12カ所ある。封鎖の理由は橋の崩壊その他で、道路の冠水や舗装の劣化、土砂崩れなどで封鎖された部分もあるという。(17)