PT党首にエディーニョ氏=最大の課題はルーラ氏再選

【既報関連】労働者党(PT)が7日夜、ルーラ大統領が推していたエディーニョ・シルヴァ元アララクアラ市長が党首選で当選したと発表した。(1)(2)(3)
PTは6日、国、連邦自治体、地方自治体の各レベルの役員の直接選挙を行った。ただ、ミナス・ジェライス州では支部長選に出馬を表明したが、党費滞納を理由に出馬登録を阻まれていたダンダラ・トナンツィン下議の出馬を認める裁判所の判決が5日夜に出たため、投票用紙の準備が間に合わず、投票が延期されるというトラブルが発生。このため、ミナス州での投票が行われるまでは新しい党首は確定しない可能性が出ていた。
だが、PT役員会は7日夜、同時点までに34万2294票が開票され、23万9155票(73・48%)を得たエディーニョ氏が当選と発表した。同時点での他の候補者の得票率は、党首経験者で下議のルイ・ファルカン氏11・15%、同党国際関係局長のロメニオ・ペレイラ氏11・06%、党内でもより左よりでABC連邦大学教授のヴァルテル・ポマール氏4・3%だった。
暫定党首のウンベルト・コスタ上議は発表に際し、13日に行われるはずのミナス州での投票結果と、開票が遅れているペルナンブコ、バイア、パラー、パラナ、リオの5州の未開票数は後日加算するが、これら6州分を加算しても、現在の結果を覆すことはあり得ず、エディーニョ氏が当選したと語った。
エディーニョ氏はジルマ政権の閣僚経験者で、国内の他の政治勢力とも対話による橋渡しをすることや党の近代化を提唱して来た穏健派だ。党首候補として名前が出た時はグレイシ・ホフマン大統領府渉外室長官らが名を連ねる主要派閥の新しいブラジル構築(CNB)からも難色を示す声が出たが、ルーラ氏自身が介入。数カ月に及ぶ交渉の末、リオ州マリカ市市長選出馬を辞退した4月に党首選出馬が確定した。
党首選では、PTは支持基盤との間に距離ができており、困難に直面しているため、戦略の調整が必要だと評価。当選後も、草の根活動や中核政策を再開し、地方において社会の基盤となる人々の心を掴むには党指導部からの明確な指示が必要とし、支持基盤との関係が残っているところではそれを強化し、国民との真の対話を優先しなくなったところでは再構築する必要があると述べている。
任期は29年までで、現在直面している最大課題は26年大統領選でのルーラ氏再選だ。PTはルーラ氏再選を支持しているが、敗北も恐れている。
ダッタフォーリャによる最近の世論調査ではルーラ氏は来年の再選を目指すべきではないと答えた人が57%おり、選挙戦のシミュレーションでも、一次投票ではリードしているが、決選投票では差が縮んでいる。
党内では、党の基盤となる社会階層における支持基盤弱体化という共通認識があり、党員らは労働環境の変化に対応できておらず、コミュニケーションの近代化も図れていないと指摘されている。
エディーニョ氏はこれらの弱点を十分に認識しており、コミュニケーションを「構築・強化」し、「新たに台頭する労働者階級との対話能力」を拡大する必要を強調。治安その他の国民の関心事からも目をそらしてはならないとしている。
なお、現在は連立与党のウニオン・進歩党(PP)連合が年内または26年に連立を離脱する可能性が出ており、来年度の選挙に向けた対話や連立の確立も喫緊の課題となる。(4)