ジャパンハウス=『平和への祈り』展6日から=広島・長崎の被曝の歴史と復興
広島と長崎への原爆投下から80年目を記念してジャパンハウスでは8月6日から、命と平和の尊さ、それを次世代につなげる重要性を考察する『Heiwa:平和への祈り』展(6日から31日まで)を開催する。今展示は、広島・長崎の被ばくの歴史と核兵器の悲惨さを改めて見つめ直す機会とするだけでなく、復興と創造を遂げた活力あふれる都市として現在の両都市の魅力を紹介する。入場無料。
核兵器による放射線の被ばくによって白血病を患った佐々木禎子さんは、回復を願い、千羽折ることで願いが叶うとされる「千羽鶴」を折り続けた。残念ながら、禎子さんは12歳で亡くなり、最も広く知られる被ばく者の一人となった。2015年、ブラジル被爆者平和協会は、禎子さんの兄から贈られた「折り鶴」をサンパウロ州議会に寄贈。本展の開催にあたって特別にジャパン・ハウスに貸し出された。
本展の開催期間中、同館では「折り鶴」の寄付を受け付ける。寄付された「折り鶴」は、広島平和記念公園内の「原爆の子の像」に捧げられる。
核兵器のない世界の実現に取り組むNGO「平和首長会議」による「平和なまち」絵画コンテストの作品集から、6歳から15歳までの様々な国の子どもたちによる作品94点がプロジェクションで紹介されている。この絵画コンテストは、子どもに平和という言葉の意味を考えてもらうことを目的に開催されている。
同平和協会の協力のもと、被ばく者である森田綾子氏が戦争の爪痕や命の尊さについて語りかける繊細な詩も紹介する。
一方、現在の広島と長崎の紹介として、復興後の活気あふれる街の様子も見られる。両都市の観光局から提供された写真を鑑賞できる。また、JNTO(日本政府観光局)は、平和への願いが込められたモニュメントや緑豊かな街並みを有し、現在では日本の主要観光都市とされている広島・長崎について、その魅力を詳しく紹介する。
更に、会場中央には、アーティストのマリ・カネガエ氏によるキョウチクトウの花が咲く庭を模した大型の折り紙インスタレーションを設置。キョウチクトウは、数十年間は草木も生えないだろうと言われていた広島の地で、原爆からわずか一年あまりで花を咲かせたため、日本人の忍耐、困難を乗り越える力、そして希望の象徴となっている。
同展示の開催期間中、同館では15センチ×15センチの紙で折った「折り鶴」の寄付を受け付けている。また、日本の折り紙を学びたい子どもたちに向けてワークショップを8月17日と31日(11時・14時)に開催する。
【『Heiwa:平和への祈り』展】6日~31日、ジャパン・ハウス サンパウロ(パウリスタ大通り52番地)、
火曜日~金曜日10時~18時、土曜日/日曜日/祝日10時~19時、入館無料、オンライン事前予約(オプショナル)はサイト(www.japanhousesp.com.br)から。