人気タレント玉城ユージ=信仰を胸に家族と日本移住へ

かつて子役として頭角を現し、ブラジルテレビ界における若きスターとして確固たる地位を築いた日系タレント、玉城ユージ氏(33歳)が、新たな人生の岐路に立っている。幼少期を日本で過ごした経歴を持つ同氏は、宗教的使命を胸に、家族と共に日本へ移住する決断を下した。新天地での再出発に込めた思いについて11日付CNNブラジルなど(1)(2)が報じた。
玉城氏は、1992年8月4日、サンパウロ州沿岸都市のサントス市に生まれた。日本人を先祖に持ち、幼少期の4年間を日本で過ごしている。9歳のとき、ブラジルの人気テレビ番組『プログラマ・ラウル・ジル』内の子供向けコーナーに出演したことで芸能界入りし、以後2年半にわたり同番組にレギュラー出演した。
2005年には、タレント発掘番組『コジゴ・ファマ』に出演し、決勝進出を果たしたことをきっかけに、SBT局の創業者で有名司会者の故シルヴィオ・サントスの目に留まり、同年から子ども向け情報番組『ボン・ヂーア&コンパニーア』の司会に抜擢される。同番組ではプリシラ・アルカンタラとのコンビで人気を博し、一躍全国的な知名度を得た。ダンサーや歌手としても活動し、多方面において存在感を示してきた。
長年芸能界で活躍してきた同氏だが、そのすべてを捨て、自身の信仰に基づき日本への移住を決意した。11日に公開された動画で、「マンションも車も、長年かけて手に入れたものすべてを手放して日本に移り、ゼロからやり直すつもりだ。キリスト教における『福音』は日本ではあまり知られていないが、一部では非常に純粋で誠実に受け止められている。現在ビザの取得を進めており、すべてが順調に進めば今年11月に出発する予定だ」と語った。「福音」とはイエス・キリストの十字架による贖罪と復活を通じて、人々に救いがもたらされるという教えを指す。同氏はそれを日本で伝える「宣教」の使命を担いたいとの意向を示している。
今回の決断について「人生で最も困難な選択の一つだった」と振り返り、その重みはかつて体験した宗教的回心の瞬間に匹敵すると語った。キリスト教との出会いを「痛みを伴うもの」だったとし、「困難の中で神にすがり、偽りの友情や称賛と決別した。自分の内面を癒し、安心感を得ることで、人生における使命を見出すことができた」と回想。「この度の決断は愛に基づくものであり、国や文化、人々、そして自らに課せられた召命への深い愛情に支えられている」と説明した。
さらに「子どもを日本で育てることは、かねてからの夢だった。心の中でずっと思い描いてきたことが、今ついに実現する」と述べ、長年の思いを実行に移す決意を明かした。
移住後の生活については「仕事や将来のチャンスがあるかどうかは分からないが、それでも私たちは現地の教会に仕えること、純粋でシンプルな福音を生きることを選ぶ」と語り、不安よりも信仰を優先する姿勢を示した。
玉城氏は幼少期に同じタレント事務所に所属していたことをきっかけで知り合った妻ミラさんと、2022年に結婚。今年5月に第一子となるダヴィくんが誕生した。日本移住には、ミラさんとダヴィくんに加え、玉城氏の母、妹、妹の夫も同行する予定だという。