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Brasil Nippou Gourmet Banzai!!=ア・ラ・カルテ・ミネイロ=ミナスの朴訥な美味さ味わう

2025年9月21日

Vaca Atolada(ヴァカ・アトラーダ)
Vaca Atolada(ヴァカ・アトラーダ)

まるで「ミナス州の田舎町に旅行した際、何気なく入ったら地元民で愛されているレストランだった」というような朴訥な美味さが、サンパウロ市内で味わえる料理店だ。サンパウロ市メトロのサンジューダス駅から歩いて10分程、ミナス・レストラン「ア・ラ・カルテ・ミネイロ」の料理の質とピンガの品揃えは本場に劣らない。

創業者で店主のジョエル・オリベイラさん(63歳)はミナス・ジェライス州セナドール・フィルミーノ市の出身。1982年、20歳の時にサンパウロに出てミナス料理店で働き、2008年に独立してこの店を構え、今ではショッピング・モルンビー付近にもう一軒ある。

この店の一番のお薦めはミナス州の代表的料理「Vaca Atolada(ヴァカ・アトラーダ)」だ。名前の由来には諸説あるが「牛(vaca)が泥にはまって動けない」というイメージから来ている。煮込んだ牛のあばら肉とマンジョッカがどろっと混じり合い、トロトロになった見た目が、確かに「牛がぬかるみに埋まっている」ように見えるから納得だ。マンジョッカに染み込んだスープが絶品だ。メニューには「Uberlandia=Costela com mandioca ensopada」と書かれている。

皿に盛るとこんな感じ
皿に盛るとこんな感じ

30種類もあるミナス州産ピンガのうち、お勧めの一つはグアラシアバ・プレミアム(Guaraciaba Premium)でショットグラス1杯21レアル。数年間貯蔵した熟成サトウキビ焼酎で、まるでウイスキーのような風味で驚く。

メニューをよく見ると、同グラス1杯で80レアルと言う品もあり、アニジオ・アンチアゴ(Anísio Santiago)と書かれていた。調べてみると、なんとブラジル最高峰のカシャッサだった。ミナス州サリナス地方産のバルサム材樽で12年間も熟成されて、力強い味わいでアルコール度数は47%。蒸留酒の愛好家やコレクターの間で非常に人気がある。まさにミナス州の誇りだ。

ピッカーニャの塊を焼いて薄切りにしたものを石の上において提供するPicanha Aperitivo na Pedraをつまみに、ピンガをチビチビ飲みながら友達と語らえば極上の〝ミナス時間〟が味わえそうだ。

ジョエルさんは「日本人はハバーダ(牛テール煮込み)やフェイジョアーダ、ジュエーリョ・デ・ポルコ・コジード(joelho de porco cozido、豚の膝の煮込み)も大好きだね」と薦める。

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故郷の町の昔話をせがむと、「あの当時、良い仕事はなかったな。だから若い者はみんな聖市に出てきた。僕もあの町では畑で働いていたけど、朝7時から重労働開始、9時には昼ごはん、正午にはコーヒー小休止、午後5時には夕飯という田舎の生活だった。あの頃から料理が好きだったんだ」と懐かしそうに振り返った。ミナス州人ここにあり、と言う感じではないか。

たまには職場の友人、家族、恋人と味わい深いピンガを一杯やりながら、最後はヴァカ・アトラーダと言うのもいいかも。


店舗情報
A La Carte Mineira
営業日:火曜11時~15時、水~金曜11時から16時、土~日曜日11時から17時
定休日:月曜日
住所:Rua Berto Conde, 85 – São Judas, São Paulo – SP, 04304-030
電話:(11) 5071-9644


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