開拓当時の苦闘物語(4)=サンパウロ 吉田しのぶ
掘っ建て小屋より少しはましな開拓小屋が完成し、次は井戸掘りに挑戦した。ここなら水が出そうだ、と素人判断で掘り始めたが30メートル掘っても水は出てこなかった。
諦めて二本目の井戸に挑戦し、20メートル掘ってようやく水脈に当り、水が出たぞと、井戸の底からの夫の声によかったと感涙がこみあげて、これで水汲みの苦労がなくなると二人で抱き合って喜んだのも懐かしい思い出である。
井戸が完成し、子供達もすくすくと育ってくれて6歳と4歳になった。いつもは井戸水を汲んで畠に出るのにその日は忘れて、子供たちは飲む水がないとわかると2人で井戸水を酌むことに挑戦したらしい。大人でさえ鶴瓶を...
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