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「1日に5〜10人の女の子」=ブラジル人被害者のエプスタイン証言

2025年9月30日

万華鏡1
「ファンタスチコ」のインタビューに応じるマリナ・ラセルダ氏のことを報じる28日付G1サイトの一部

【既報関連】米資産家ジェフリー・エプスタイン元被告による児童性的虐待事件は、今なお多くの謎を残す。ブラジル人被害者の一人マリナ・ラセルダ氏は14歳の時に受け始めた過酷な体験の実態を、グローボ局の報道番組「ファンタスチコ」(28日放送)で証言。同様の被害に苦しみ続ける人々に向け、声を上げる意義を訴えている。(1)(2)

現在37歳のマリナ氏は、ブラジル南東部ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ出身で、エプスタイン元被告に対する訴訟で「未成年被害者1号(Minor Victim-1)」として知られている。

今月3日、マリナ氏は他の被害者とともに米連邦議会議事堂前で記者会見に臨み、性的暴行の被害について初めて公の場で証言した。ニューヨークのエプスタイン氏邸宅で性被害を受けたと明かし、同氏に関する機密記録の全面公開を義務づける法整備を議会に強く求めた。

マリナ氏は1996年、幼少期に母親や親族と米国移住し、ニューヨーク・クイーンズ区で育った。学校でいじめに遭い、親族の一人から約3年にわたり性的虐待を受けたことを明かし、「崩壊した家庭」で育ったと述べている。

2000年代初め、当時14歳だったマリナ氏は友人から「マッサージをする代わりに報酬が得られる」と誘われ、セントラル・パーク近くにある7階建ての邸宅(評価額約8800万米ドル=約130億7592万円)を訪れた。「あの巨大な扉を見て『これは何?』って驚いた。これほどの豪華さは想像していなかった」と当時を振り返った。

そこでマリナ氏はエプスタイン氏と出会った。「窓のない暗い部屋に、マッサージ用のベッドと高級クリームがぎっしり詰まった棚があるだけだった。彼は『こんにちは、ジェフリーだ』と言って近づいてきて、年齢や出身地などを尋ねてきたので、私はそれに答えた」と述べている。

当初、通常のマッサージのセッションを行っていたが、初対面から約4カ月後には有償の性的行為へと変わったという。「状況は悪化し、最初は上着、次に下着と、次第に服を脱がされるようになった。彼は自らを刺激し、その後私にも触れるようになり、どんどんエスカレートした。なぜ受け入れたのか分からないが、受け入れてしまった」と述べた。

そして「性的虐待を受けた人は善悪の感覚を失ってしまう。彼とは週に2、3回会い、後に友人も連れてくるように要求された。彼は1日に5〜10人の少女と会っていた」と語った。マリナ氏は「17歳か18歳の頃、『君に興味を失った』と言われ関係が終わった」と述べた。

調査当局によれば、この組織はネットワークを形成しており、各未成年被害者は他の少女を紹介することを強いられていた。被害者総数は1千人を超えると推定されている。

その後まもなく、彼女は米連邦捜査局(FBI)から事情聴取を受けた。08年、エプスタイン氏は司法取引を成立させ、フロリダ州での刑期をわずか13カ月に抑えることに成功した。

だが18年、ニューヨークの新しい検察官らが捜査を再開し、マリナ氏を尋ねて再び事情聴取を行った。FBIから「未成年被害者1号」と認められた彼女は、19年のエプスタイン氏の逮捕に決定的な情報を提供した。その直後、彼は独房で死亡しているのが発見された。

エプスタイン氏の共犯者であるギスレイン・マクスウェル氏は22年、未成年者への虐待で有罪判決を受け、20年の禁錮刑が言い渡された。だが、事件に関する一部資料は米司法当局によって非公開のままだ。

この事件は犯罪の重大性に加え、エプスタイン元被告がビル・クリントン元米大統領やビル・ゲイツ氏、英アンドリュー王子、さらにトランプ米大統領ら著名人と関係を持っていたことでも注目を集めた。共和党支持の一部勢力は、著名人の関与を暴くとして〝顧客リスト〟公開を執拗に要求しているが、実現には至っておらず、トランプ支持層の間で不満が高まっている。

マリナ氏は現在もニューヨークで暮らし、体験を語ることで他の女性たちを励ましたいとの思いから、公の場で話す決意を固めたと述べている。「自らの声を上げなさい。恐れず、恥じず、他人がどう思うかは気にしないこと。人生で最も大切なのは、心の平穏であるということを忘れないで」と訴えた。


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