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新婦に結婚式で特別演奏=新婚旅行帰宅中に音楽家死亡

2025年10月9日

万華鏡2
事故で死亡した夫ラファエル・ベラルミーノさんと、負傷した妻ナチエリさん(7日付G1サイトの記事の一部)

自身の結婚式で新妻のために特別なピアノ演奏をし、愛を誓ったばかりの音楽家ラファエル・ベラルミーノさん(34歳)が、そのわずか10日後、ハネムーンからの帰路に命を落とした。サンパウロ州内陸部を走行中、火災で折れた大木が倒れて車を直撃。運転していたベラルミーノさんはその場で死亡し、同乗していた妻ナチエリ・アラウージョさん(26歳)は負傷したが、命に別状はないと7日付G1など(1)(2)(3)が報じた。

事故は5日(日)夕方、夫妻がサンパウロ州沿岸部グアルジャ市での新婚旅行を終え、内陸部のタクアリチンガ市へ戻る途中に発生した。2人が乗っていた車が州道310号線の264キロ地点を通過中、大規模な火災の影響を受けて折れた樹木が炎を上げながら車道に倒れ、車両を直撃した。

ナチエリさんによれば、倒れてきた樹木との衝突は極めて突然で、回避は困難だったという。車は衝撃を受けて横転し、彼女は車内からガラス窓を破って脱出し、助けを求めたと証言している。

現場対応をめぐっては、高速道路の管理側と被害者側の間で食い違いが生じている。運営を担うコンセッション会社は、現場では火災対応として、減速を促す看板や注意喚起の表示を設置していたと説明。だが、ナチエリさんは「表示も誘導員も一切なかった」と証言し、運営会社の安全管理に重大な過失があった可能性を指摘している。

同社は火災が高速道路の管理区域外で発生し、午後2時39分に検知されたと報告しているが、目撃者の証言をもとに、遺族側は当日の朝からすでに樹木が燃え続けていたと主張しており、早期対応がなかったとの疑念を強めている。

音楽家としてキャリアを積んできたベラルミーノさんは、音楽教室でピアノ講師としても活動していた。自身の結婚式に向けては特別な準備を重ね、新婦の入場時には「結婚行進曲」と、夫婦の思い出の曲であるアリシア・キーズの「イフ・アイ・エイント・ガット・ユー(もし君がいなければ)」を自ら演奏したという。

音楽教室を運営する実業家デニス・スカランボーニさんは、「彼は自分自身の手でその演奏を成し遂げたいと話しており、プロの視点から見ても非常に印象的な挑戦だった。感動的な瞬間であり、音楽が彼の人生にどれほど深く根付いていたかがよく表れていた」と当日を振り返った。

ベラルミーノさんの指導を受けていたラファエル・スカランボーニ・ムニスさん(13歳)は、「先生はいつも親しみやすく、まるで友達のように接してくれた。僕たちの好きな曲を取り入れて、音楽理論を実践的に教えてくれた。授業のたびに内容がきちんと理解できたかを丁寧に確認してくれた」と語った。

同僚の音楽家ファビオ・ペレグリーニさんも、「彼はとても思いやりのある人物で、同僚の相談にもいつも親身になって応じてくれた。彼の存在は私たちにとってかけがえのないもの。今回の出来事は本当に受け入れがたく、深い悲しみに包まれている」と語った。

遺されたナチエリさんは、「夫は本当に魅力的な人で、愛情深い人だった。彼を失うことは、私たち全員にとって本当に辛いこと。今はただ、時がこの痛みを和らげてくれるのを待つしかない。すべてがあまりに突然で、心の整理がつかない。それでもきっと乗り越えていけると信じている」と喪失の辛さを静かに語った。

ベラルミーノさんの遺体は7日、タクアリチンガ市で埋葬された。


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