マイゾウ・メーノス(まあーまあー)の世界ブラジル(54)=サンパウロ 梅津久
第46話 文化習慣の違い
ブラジルと日本では言葉や価値観、思考、習慣が勿論違います。今回は私が街角で見たブラジルと日本の違いを取り上げてみます。
ブラジル人から見た現代社会の日本人は孤独?
日本というと、テクノロジーがブラジルよりも発達しているためコンピューターやスマートフォンを使いこなし、E―mailやSNSなどでコミュニケーションを取るのが当たり前になっています。そのため直接の会話が少なくなり、日本人は孤独な人種だと思うことがあります。
勿論、ブラジル人もスマートフォンを利用してコミュニケーションをとります。
日本ではバスや電車、地下鉄の中でスマートフォンで電話してはならないという暗黙の規律があります。電車に乗ると、乗客の皆が静かに無言で一斉に下を向き、スマートフォンでメッセージを送ったり、動画を見ています。この静寂な光景は異様に思えます。公共交通機関で電話の使用を制限されているので止むを得ない光景とは思います。
一方、ブラジルでは今でもバスや電車、地下鉄の中で電話の使用が自由で、他人の迷惑も顧みず大きな声で話しています。その光景は日本の人達には逆に異様に見えるかもしれません。
乗り物に関するマナーの違いは他にもあります。その中でもブラジルが誇れることは、お年寄りの方に当たり前のように席を譲ることだと思います。ごく普通に年配の方を労わる心を持つことは、誇るべき習慣だと思います。
また、重いものを持っている人に対して座っている人が「荷物を膝に置いても良いですよ!」と気軽に声を掛けたり、妊婦や子供を抱えている人に快く席を譲る光景はとても気持ちのいいものです。
日本ではスマートフォンに目をやったり、目をつぶり眠った振りをして知らん顔をする人達のなんと多いこと。電車の中で居眠りする人については、日本ではかなりの人達が普通に居眠りしていますが、ここブラジルでは、居眠りをすることは不注意な行為と見られます。ブラジルはバイオレンスな国ですから、そういった行為はタブーです。私も日本では通勤・通学で居眠りをするのが習慣になっていましたが、さすがにここブラジルでは出来ません。
日本で生活をしているときは全く不思議に思わなかったことですが、ラッシュ時に乗客を車両に詰め込むように押す係りの人が居ることは、ブラジルで話題になるほど珍しい日本の現代文化です。
ブラジルでは基本的に時刻表というものが存在するのかどうかわかりません。電車が遅れようが、早く出発しようが、気にすることなく利用するのが当たり前になっています。ただ、予定している時刻に正確に到着する列車に慣れている日本人は、少しイライラすることになります。
このような習慣の違いは、人と待ち合わせをする時にも表れます。ブラジル人は平気で遅れてくる。日本人から見ますと少し困った習慣のようですが、ブラジルでは普通のことです。学校などでも先生が平気で授業に遅れて来るのはブラジルでは日常茶飯事です。診療所でも同じ。診療開始が予約した時間から30分も1時間も遅れ、待たされたことが幾度もあります。ひどいときは先生が遅れて来ることもありました。
40数年ブラジルで生活をして既に慣れてしまった私でも、たまにイライラしてしまう時があります。おおらかなブラジル人を誇るときと、そうでない時と、時と場合によりけりですね。これも、「マイゾウ・マーノスの世界」ブラジルであります。








