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《ブラジル》ルーラが労働改革撤廃に言及せず=スペイン左派与党との討論で=現状の改革に強い不満示すも

2022年1月13日

討論中のルーラ氏(Twitter)
討論中のルーラ氏(Twitter)

 ルーラ元大統領(労働者党・PT)は11日、スペイン政府関係者とヴァーチャル討論会を行った。ルーラ氏は大統領選の副候補と噂されているジェラウド・アウキミン元サンパウロ州知事に気を遣ってか、テメル政権が行った労働改革の撤廃に言及することを避けたが、現状にはかなり批判的だったという。12日付現地紙が報じている。
 この会談は、テメル政権時の労働改革撤廃をPT幹部たちが主張していたことや、テメル政権が労働改革の手本にした2012年のスペインでの労働改革に関し、現在の同国の与党が見直しを検討しているために注目されていた。また、アウキミン氏は同件に関するPT側の意見に難色を示していた。
 ルーラ氏の傍でヴァーチャル討論会の様子を見守ったブラジルを代表する労組の代表たちによると、ルーラ氏は「労働改革撤廃」には直接触れなかったが、労働改革後の給与総額減少などには批判的な姿勢を見せたという。
 中央労組(CUT)のセルジオ・ノブレ会長は、「ルーラ氏は改革の撤廃ではなく、会議の場が必要だと主張した」という。さらに、「労組のリーダーにその提案を擁護するよう求めた」と述べた。
 インテルシンジカルのエジソン・カルネイロ・インジオ会長によると、「ルーラ氏は『労働改革時は巨大な雇用が生まれるかのように主張していたが、現実は失業地獄が待っていただけだった』と語った」という。

 また、フォルサのミゲル・トーレス会長は、「ルーラ氏が、『雇用回復は、給与総額の回復が見込まれる質の高い職の提供を伴うものでなければならない』と語った」とした。
 この日、ルーラ氏と積極的に話したスペインのホセ・ルイス・エスクリヴァー社会包括相は、同国では労働改革の結果、「労働の質が低下し、国の発展を遅らせた上、質の高い雇用の創出が減った」と語ったという。また、そのことは企業家たちも認めているという。
 同相は、スペインでの労働改革は国民の同意を得ずに行われたもので、その結果、現在では急進左派から極右主義者までが批判するほどだと語っている。
 今回のヴァーチャル討論会に関するアウキミン氏の見解は報じられていない。
 調査団体のクエスト社が6~9日に行い、12日に発表された大統領選に関する世論調査の結果によると、ルーラ氏は45%で、23%だったボルソナロ大統領の約2倍の支持を得た。大統領選の規定である無効票を除けば過半数を占め、一次投票で勝つ見込みであるともされた。
 この世論調査では、アウキミン氏とルーラ氏のシャッパについての質問も行われたが、かつてはルーラ氏の最大の政敵で、民主社会党(PSDB)の代表的な政治家だったアウキミン氏がルーラ氏の副候補になることに関して、「自分の票に影響しない」と答えた人は67%で、「それならば投票しない」と答えた人は9%だった。
 同調査では、アウキミン氏がルーラ氏の副候補になれば、「サンパウロ州で第3勢力に投票しようと考えていた人からの票が増える」との結果も得ている。


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