《ブラジル》地理統計院=国勢調査開始を2カ月延期=調査員の採用遅れ8月から
地理統計院(IBGE)が25日、8月1日から国勢調査を開始と発表したと同日付伯字サイトが報じた。
今回の国勢調査は2020年に行われるはずのものだったが、新型コロナの感染拡大と予算確保の問題で2年間遅れた。だが、24日に連邦官報に掲載された年間予算法でも22・9億レアルの調査費が確保された事で実施が確定した。
ただし、調査員の採用試験を行う委員の交代などで、6月1日からの予定だった調査開始が8月1日に延期された。今回の調査では、各戸を訪問してデータを集める調査員が18万3021人、自治体毎のコーディネートなどの担当者は2万3870人採用されるが、応募者は20万6700に上ったという。
国勢調査は10年毎に行われ、各自治体の人口や上下水道普及率その他のデータは、国や州、市レベルの諸政策などを策定する際の資料となる。一例は議員数で、各州から選出される連邦議員(下院、上院)や州議、市議の数は各自治体の人口によって決まる。
また、新型コロナの予防接種などでも、どの州にどれだけのワクチンを送るかは国勢調査のデータを基に算出されているし、パンデミック後の諸政策のための資金の確保や配分も国勢調査の結果が土台となる。
IBGEによると、2019年の場合、連邦政府が州や市に配布した資金の65%は国勢調査で得た人口データを基に計算されていたという。
社会保障政策としてのアウシリオ・ブラジルや貧困家庭へのガス購入費補助などの必要額も、国勢調査で得たデータを基に算出されているが、新型コロナで出生数や死者数が例年とは異なる動きを見せており、調査の重要性がいや増している。