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《ブラジル》アウキミンに知事選での収賄疑惑浮上=PTの反応は「問題なし」=ルーラと最終的な詰めへ

2022年3月18日

アウキミン氏(Twitter)
アウキミン氏(Twitter)

 16日、ジェラウド・アウキミン氏にサンパウロ州知事選絡みで収賄疑惑があったことが報じられた。だが、同氏を大統領選の副候補にと考えているルーラ元大統領(労働者党・PT)の陣営は、この報道は「選挙前の陰謀」だから問題ないとの見解を示し、大統領選に向けて前向きな姿勢を示した。17日付現地紙が報じている。
 16日、アウキミン氏を巡る収賄疑惑が報じられた。この件は、建設企業「エコヴィアス」元代表取締役のマルセリーノ・ラファルチ・デ・セラス氏による報奨付証言が、15日にサンパウロ州検察局高等審議会によって承認されたと公表されたことで明らかになった。
 セラス氏によると、アウキミン氏は、サンパウロ市とサンパウロ州海岸部を結ぶ高速道「アンシエッタ/イミグランテス」の建設事業絡みの賄賂として300万レアルを受け取ったという。受け取った時期と額は、アウキミン氏がサンパウロ州知事選を目指していた2010年に100万レアル、知事時代の2014年に200万レアルで、いずれも裏金だったという。
 賄賂を受け取ったのは、2010年がアウキミン氏の義兄弟のアデマル・リビロ氏で現金、2014年はアウキミン氏の金庫番だったマルコス・モンテイロ氏が受け取ったという。モンテイロ氏はオデブレヒト社と民主社会党(PSDB)との間の汚職疑惑でも名前が浮上した人物だ。
 連邦警察は報奨付証言を基にアウキミン氏に隠し口座がなかったかなどの捜査を行っていたが、2月に「証拠不十分」との報告書を提出。この時点でアウキミン氏の告発は見送られた。

 16日の報道後、アウキミン氏は声明を発表。同氏は「知事選に関する金の動きは全て選挙高裁に報告されており、何も問題なかった」とし、「選挙年に虚偽の報道が行われたことは遺憾だ」と不満を述べた。
 ルーラ陣営は同件に関し、「問題なし」との姿勢を見せている。ルーラ氏の選挙参謀のひとりのパウロ・テイシェイラ下議は「この程度の攻撃は想定範囲内」とし、このスキャンダルがルーラ氏とアウキミン氏のシャッパ(連立名簿)に影響することはないとの見方を強く示した。
 PTはアウキミン氏が2018年の大統領選にPSDBの候補として出馬した際、同氏とオデブレヒト社との疑惑を「捜査しろ」と追及しており、対照的な対応となっている。
 今回のスキャンダルは、ブラジル社会党(PSB)への入党が本決まりしていないアウキミン氏に配慮してか、ルーラ氏が「まだ副候補として決まった訳ではない」と発言した直後のことだった。
17日付G1サイトによると、ルーラ氏とアウキミン氏はここ数日間、大統領選に向けた政策の詰めを行っている。PSB入党を前にした話し合いの中心は、雇用、教育、保健関係だという。この話し合いでルーラ氏は、「ブラジルを今一度、BRICS諸国の中心に戻したい。そうすれば、ロシアとウクライナの問題に対してももう少し影響力を持てるのでは」などの提案を行っているという。


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