《ブラジル》ドリアが大統領選候補辞退宣言で一時騒然=翌日に本人が発言撤回も=モロは党移籍で断念か

3月30日から31日朝にかけて、ジョアン・ドリア・サンパウロ州知事が「民主社会党(PSDB)の大統領候補を降りる」との報道が行われて騒然となったが、その後に撤回した。一方、セルジオ・モロ氏が大統領候補を降りることを視野にポデモスからウニオン・ブラジル(以下、ウニオン)に移籍した。3月31日付現地紙、サイトが報じている。
ドリア氏が大統領選を辞退との報道は、3月30日に行われた会議の席でドリア氏自身がロドリゴ・ガルシア副知事に対し、「大統領選に出馬せず、知事のままでいる」と発言したことで起こったものだった。
従来の筋書きでは、ドリア氏は3月31日にサンパウロ州知事を辞任し、大統領選を目指すと発表する予定だった。
3月30日のドリア氏の発言の背景には、大統領選での支持率が2%と伸び悩んでいることに加え、PSDBがウニオン、民主運動(MDB)と連立を組んで連合候補を出す方針を決めたことがある。
この3党連合候補をめぐっては、昨年11月のPSDBの党内選挙で敗れたエドゥアルド・レイテ氏が、2014年選挙の同党の大統領候補だったアエシオ・ネーヴェス氏と組んでその座を狙っていることが報じられはじめていた。
こうしたことから「ドリア氏から辞退宣言が行われるのではないか」との憶測も流れたが、PSDBのブルーノ・アラウージョ党首が「わが党の大統領候補はドリア氏だ」と主張するなどした後、ドリア氏自身が「大統領選出馬を維持する」とし、知事辞任も明らかにした。
その一方、セルジオ・モロ氏は3月31日、これまで所属していたポデモスからウニオンに党移籍を行った。モロ氏はこの日、サンパウロ市のホテルで、ウニオン入党のための書類にサインした。ウニオンからは同党書記のアレッシャンドレ・レイテ氏とジュニオル・ボゼラ下議、選挙キャンペーンのコーディネーターのルイス・フェリペ・クーニャ氏が同席した。モロ氏はサンパウロ州に拠点を移して選挙戦を戦う予定だ。
クーニャ氏はモロ氏に関して、「まだ何の選挙にでるかは決まっていない。ルシアノ・ビバール党首次第だ」との発言を行なった。
モロ氏は現在、大統領選の世論調査でシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)と3番手を争っている。だが、同党幹事長のACMネット氏らはモロ氏を大統領候補にすることに反対で、同氏を下議選に出馬させる意向だとされている。下議選出馬説は同日付ヴァロール紙電子版も報じている。
モロ氏は昨年11月にポデモスに入党したが、最近になって同党のレナタ・アブレウ党首から、「党内には大統領選に捻出する資金の余裕がない」と言われ、離党を決めたとされている。