《ブラジル》政党移籍で大統領のPLが最大党に=下院保守勢力が大幅増員

連邦議員の政党移籍期間が終わり、ボルソナロ大統領が所属する自由党(PL)が最大政党となり、連立を組む政党も党員を増員した。下院では保守勢力が見えやすい存在となった。1、2日付現地紙、サイトが報じた。
議席を失わずに政党を移れる党移籍期間は3月3日に始まり、1日で終わった。下院では、513人の議員の内、25%にあたる132人が移籍した。
議員数が最も増えたのはPLで、3月3日時点の43人から74人に増えた。また、大統領選でPLと協力するシロ・ノゲイラ官房長官の進歩党(PP)も42人から59人に増え、第2党に躍進した。共和者(RP)も31人から46人に15人増え、過去最高となる4位政党となった。
PLの党員増の最大の理由は、ボルソナロ氏が昨年11月に入党したことでウニオンからの移籍が相次いだことだ。ウニオンはボルソナロ氏の前党の社会民主党(PSL)と民主党(DEM)が合併してできた政党だ。PSL内のボルソナロ派は、大統領が新党アリアンサを結党するために離党した2019年11月以降、新党に移籍することを望んでいたが、新党結成が立ち消え、移籍できずにいた。ウニオンは合併時点で81人の下議がいたが、36人を失い、5位タイの45人に議席数を落とした。
ボルソナロ氏がセントロン系のPLに移籍したことで、過激な極右というイメージを恐れる必要がなくなり、これまで各政党に分散していた保守系議員たちが移籍しやすくなったことも考えられている。
一方、ルーラ元大統領の労働者党(PT)は1人減の53人に止まったが、PTとの連立(フェデラソン)に失敗したブラジル社会党(PSB)が9人、もう一人の大統領候補のシロ・ゴメス氏の民主労働党(PDT)が6人を失った。これらの政党の下議は、セントロンの中でもルーラ氏支持を示し、議席を10人増やして5位タイの45人とした社会民主党(PSD)などに移籍している。
党移籍は上院や州議会などの勢力図や10月選挙での力関係にも影響する。