《ブラジル》2年以上の失業者373万人=300万人余はD・Eクラス

テンデンシアス・コンスルトリア・インテグラーダ社によると、2年以上失業状態にいる人は373・1万人おり、その内の302万人強はD・Eクラスである事がわかったと4日付現地紙、サイトが報じた。
同社によると、14歳以上で失業中の人1388・8万人中、26%にあたる373・1万人は2年以上も失業状態が続いているという。2015年は2年以上失業状態だった人は17%だったから、仕事を探しても長期間見つからない人が増えている事になる。
2年間以上失業状態の人の81%はD・Eクラスで、失業状態の長期化は低所得層ほど顕著である事もわかったという。
今回の調査の責任者のルーカス・アシス氏によると、総人口に占めるD・Eクラスの割合は65・7%なのに、81%という数字はこの割合を大幅に上回っており、社会格差が拡大中だという。
2021年の場合、D・Eクラスで2年以上失業状態の人は2015年より173%増えた。2年以上失業状態の人が同期間中に増えた割合は、Cクラスが86%、Bクラスで53%で、Aクラスでは37%減っている。
アシス氏の見方では、失業期間が長期化すると、新しい仕事や技能を身につけたり、知識や技術を更新したりするチャンスも失い、生産性も低下するという。これは人的資源の喪失を意味し、中長期的な視点から見ると、国としての経済力低下にもつながる。
ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)理事のマルセロ・ネリ氏は、労働者としての質や技能が低下すると、新たな職を得るチャンスも減るため、失業期間がより長期化する可能性があるとし、一度職を失うと、回復不能な状態に陥りかねないと警告を発している。