《ブラジル》イースター関連のインフレ減速=昨年の25%台が4%弱に

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)が11日、パスコア(復活祭、イースター)によく使われる商品の価格は12カ月間で3・93%の値上がりで、昨年同期の25・36%はおろか、昨年4月から今年3月までの12カ月間の市場消費者物価指数(IPC―M)の9・18%をも下回ったと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
同研究所のマテウス・ペサニャ氏によると、昨年は気候上の問題や為替の変動で、国内でとれる農産物や国外から輸入される品が大幅に値上がりしたが、今年は干ばつが緩和された上、米が12・20%値下がりし、イースター用品の価格を押し下げたという。
それでも、キャベツ21・50%、ジャガイモ18・43%、イワシの缶詰16・44%、オリーブ油15・63%、オリーブの実14・38%、タラ11・50%のように、一部の農産物やタンパク質、輸入品は値上がりが目立つ。ペサニャ氏によると、米がデフレでなければ、イースターでよく使う品物の価格はIPC―Mを上回る9・79%高となっていたと見ている。
ただ、イースター直前の聖週間(今年は10日から)は魚などが値上がりする傾向があるので、注意が必要だ。鮮魚は既に8・33%、卵も9・89%値上がりしているが、これらの商品の価格は聖週間前の需要圧力によってさらに値上がりする可能性がある。
また、IPCの調査対象外のチョコ製のイースターエッグやコロンバと呼ばれるケーキも、イースター直前はより高くなる傾向がある。
全国財・サービス・観光商業連合(CNC)は、5・70レアルを超えていたドルが5レアル前後に下がった事の影響も指摘。タラは輸入量が17%減ったが、為替のせいで価格は3%下がっている。昨年は3・3%上昇していた。チョコレートの輸入量は昨年比で8%増の143トンに達した。輸入品のチョコレート価格は8・5%上昇したが、昨年の8・8%よりやや小さい。
タラの輸入量が減ったのにチョコレートは増えたのは、インフレ高進で小売店が小額のものの方が売れると見ている事と関係がある。CNCの調査対象の商品やサービス8項目は、昨年の5・2%を上回る7%値上がりする見込みだ。これは10・3%値上がりした2016年以降では最高幅だという。
CNCによると値上がりが顕著なのは、ケーキ類の15・1%とオリーブ油の12・6%だ。鮮魚も、昨年の3・5%を上回る4・8%高くなっているという。
CNCではインフレが高進しているため、インフレ調整後の小売店の売上はレアル高にも関わらず、昨年比1・9%増の21・6億レアルに止まり、2019年の22・9億レアル以下と見ている。新型コロナのパンデミック初年の2020年のイースターの売上は16・7億レアルで、ここ10年間で最低だった。