《ブラジル》成人の過半数が前肥満者=それでもほんの少し減少?

保健省が8日、2021年は成人年齢の57・25%が適正体重を超えた前肥満者である事が分かったと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
前肥満者は、ボディマス指数(BMI)が25以上30未満の人で、2019年の55・4%よりも増えたが、2020年の57・5%よりは若干減った。
性別で見ると、男性は59・9%が前肥満者で、女性の55%より多かった。年齢別では、45~54歳の64・4%が最も多く、以下、55~64歳の64%や35~44歳の62・4%がそれに続いた。
同省によると、ブラジルではボディマス指数が30を超える肥満者も22・35%いた。この数字は20年の21・55%を上回った。19年は20・27%だったから、新型コロナのパンデミックで前肥満や肥満になった人が増えたといえる。
肥満者は女性が22・6%で、男性の22%を上回った。年齢別では、35~44歳が25・5%、45~54歳が26・24%、55~64歳が26・22%となっている。
栄養士のジュリア・カリコンド氏は、前肥満者と肥満者を合わせると10人の内8人が適正体重を超えており、糖尿病や高血圧といった慢性病に苦しむ可能性があると懸念。食生活を中心とする生活改善が不可欠と主張している。
同氏は、前肥満者や肥満者が増えたのは、野菜類の消費量が22%に過ぎなかったのに対し、超加工食品の消費量が20%に達した事だと見ている。超加工食品は、糖分や塩分の過剰摂取を招くため、糖尿病や高血圧増加の直接的な原因とみなされている。
ジュリア氏によると、パンデミックの間はインターネットでパンやケーキ、デザートのレシピを探す人が大幅に増えており、運動量が減ったのに食べる量が増えた事も体重増加を招いたという。同氏は「パンデミックの間はそれまで以上に不注意に食べるようになった」と評価している。
なお、適正体重はボディマス指数が18・5以上25未満の場合で、22が最も病気になりにくい標準体重と呼ばれる。
16未満はやせ過ぎ、16以上17未満はやせ、17以上18・5未満はやせ気味と評価されるが、25以上30未満は太り気味(前肥満)、30以上35未満は肥満1度、35以上40未満は肥満2、40以上は肥満3と分類される。