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《ブラジル》大統領府が面会記録を100年機密に?=問題牧師との会見を隠蔽=さらに深まる教育省疑惑

2022年4月15日

21年2月の会合で写真に納まった大統領とロビイストたち(Twitter)
21年2月の会合で写真に納まった大統領とロビイストたち(Twitter)

 教育省の「影の内閣」と称される福音派ロビイストたちとの会合記録を、大統領府が機密事項にしていた事実が明らかになった。それには、既に報じられているボルソナロ大統領との面会や行事も含まれている。昨年までは公開されていた。13、14日付現地紙、サイトが報じている。
 このことはグローボ紙が13日付で報じて明らかになった。それによると、問題となっている福音派の「アッセンブレイア・デ・デウス」の幹部で、ロビイストとしても活動していたジウマール・サントス、アリウトン・モウラの両氏が大統領府に出入りした記録に関する情報が、大統領府によって守秘項目にされていたという。その中には、この2人が直接ボルソナロ大統領と会ったことが確認されている日に関する情報も含まれている。
 現行の規則では、プラナウト宮を訪れる人は全員、身元証明が義務付けられており、認証を受けなければならない。これらの情報は情報公開法によって公開請求が認められている。ところが、このロビイスト2人に関する情報をグローボ紙が求めたところ、「大統領府にとって安全といえない個人情報の漏洩はできない」との理由で断られたという。
 この件は既に、連邦議会でも不審視されている。上院教育委員長のマルセロ・カストロ上議(民主運動・MDB)は、「牧師との会議がなぜ守秘事項に当たるのだ。大統領の公務を公にすることは法律で決められていることなのに。明らかに不自然であり、教育省の国立教育促進基金(FNDE)の不正利用に関する新たな重大疑惑だ」と語っている。
 13日、グローボ紙取材陣はボルソナロ大統領にこの件についての質問を行った。取材陣の「この守秘事項はいつまで有効なのか? 100年間か?」との質問に対し、大統領は「それは100年経てばわかることだ」と皮肉って答えている。
 以前の報道では、ボルソナロ大統領はジウマール、アリウトン両氏と少なくとも4度会ったとされている。その内の1回は2021年2月で、全4州、40以上もの市の福音派に関係する市長たちを大統領府に集め、イベントを行っている。大統領とロビイストたちが一緒に写った同日の写真は、3月のFNDE疑惑発覚時に報道されている。
 このイベントでは、ミウトン・リベイロ教育相(当時)が両ロビイストと行った会話の録音も流出している。リベイロ氏はそこで、「お二方の頼みなら、FNDEの支出を優遇する。これは大統領自身の願いでもある」と語っている。リベイロ氏は3月末に教育相を辞任している。
 これに加え、複数の市長たちがFNDEからの資金承認をロビイストたちに感謝する発言がネット上で相次いでいたこと、アリウトン氏がFNDE優遇と引き換えに賄賂を求めていたと証言する市長が複数現れたことが問題となっていた。
 今週は、3500もの学校の建設が未完成なのに、FNDEの限度をはるかに超える額で新たに2千校を建設することをシロ・ノゲイラ官房長官が承認していたという別の教育省疑惑も報じられている。


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