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《ブラジル》ドリアが党首を選挙参謀から解任=PSDB内で孤立深まる=迷走する3党合同候補選び

2022年4月20日

アラウージョ氏(左)とドリア氏(Twitter)
アラウージョ氏(左)とドリア氏(Twitter)

 民主社会党(PSDB)のブルーノ・アラウージョ党首が、党内選挙で同党の大統領候補になっていたはずの前サンパウロ州知事のジョアン・ドリア氏の選挙参謀から降ろされた。この一件でドリア氏の孤立化が進み、同党からの大統領候補がエドゥアルド・レイテ氏に代わる可能性が高まった。この動きはウニオン・ブラジル、民主運動(MDB)との合同候補選びにも影響すると考えられる。16〜19日付現地紙、サイトが報じている。
 アラウージョ氏がドリア氏の選挙参謀から外れ、後任をマルコ・ヴィニョーリ氏が務めるとの発表は15日に突然行われた。ドリア陣営はその発表の際、「アラウージョ氏が良からぬ態度をとった」とし、「党内選挙で勝利したのはドリア氏なのに、マスコミの取材や企業に対して怪しい発言を行った」と解任理由を語り、アラウージョ氏を批判した。
 アラウージョ氏はこれに対し、「選挙参謀の件に関する話はしていなかった」と驚きの反応を示し、ドリア氏が一方的に解任したことをほのめかした。
 事の発端はアラウージョ氏が先週、企業関係者に対し、「ウニオンやMDBとの連立の方がPSDBの党内選挙より重要だ」と語ったことだ。これが、同氏がドリア氏をないがしろにするのではないかとの懸念を深めるものとなった。他方、アラウージョ氏も「自分の会話はドリア氏に録音された」と周囲に語るなど、ドリア氏に不信感を抱いている。
 16日、ドリア氏とアラウージョ氏はPSDB元副党首のカルロス・サンパイオ氏の仲介で会談を行っており、その場で「PSDBからの連立候補にはドリア氏を推薦する」との確認が行われた。
 だが、党首を参謀役から解任したことで、PSDB内でのドリア氏の孤立化も懸念されている。その一方で、党内選挙でドリア氏に敗れた南大河州前知事のエドゥアルド・レイテ氏が虎視眈々と逆転を狙い始めている。
 レイテ氏は現在、党外に自身の支持を求めて動き始めているが、その中にはMDBの重鎮のテメル前大統領も含まれている。その交渉役として暗躍しているのは、PSDBの2014年の大統領候補だったアエシオ・ネーヴェス氏だ。一部報道では、レイテ氏が政党「連帯」党首のパウリーニョ・ダ・フォルサ氏と会合を行った際も、アエシオ氏が同席していた姿が報じられている。
 6月1日と日程を定めているウニオン、PSDB、MDBの連立候補選びは迷走している。ウニオンが選出したルシアノ・ビバール党首は本命視する声が少ない。政界の評価は高いが支持率が低いシモーネ・テベテ氏(MDB)は、「副候補ではなく、あくまでも正候補」と出馬を譲らない構えだ。
 連立政党外ながら候補の一人になっているシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)は、「話はしている」と認めながらも、「セルジオ・モロ氏が出て行けば可能性はある」と語り、大統領候補の可能性を却下されても強引に移籍してきた同氏を皮肉り、ウニオンとの連携に難色を示した。


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