《ブラジル》廃品回収業者の所得増に期待=政府のリサイクル促進計画で

連邦政府が13日に発表した「リサイクル促進計画(Programa Recicla+)」により、再生可能な品物を集める廃品回収業者の所得が最大で25%増えると期待されていると14日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
リサイクル促進計画は消費者が捨てた製品やパッケージのリサイクルへの民間投資を奨励するためのプログラムで、廃品回収業者の組合や地方自治体、民間のイニシアチブ、零細起業家などは、リサイクル可能な材料を販売した際に発行される電子領収書に基づいた「クレジット証明」を要請できる。
応用経済調査院(Ipea)のエリック・フィゲイレド院長は、これにより、全国80万人超の廃品回収業者の所得が最大で25%増え、平均月収は930レアル以上になると見ている。
リサイクル促進計画は経済省と環境省のイニシアチブで始まったプログラムだ。廃品回収業者は販売時に発行される領収書をもとに要請されたクレジット証明を企業などに売却すれば収入を得る事ができるし、企業側も複雑なシステムを創らなくても製品回収義務を全うできる。
回収された再生可能な材料をチェックし、電子領収書を認証する機関の選択は環境省が担当する。リサイクル促進計画は、2010年に裁可された固形ごみ処理法や2017年の大統領令が定めた強制的なリバースロジスティクス(製品回収義務)対象製品の製造業者、輸入業者、流通業者、貿易業者に課せられる義務遵守のためのプログラムといえる。
リバースロジスティクスの対象製品の回収義務遵守のためのシステムは12ある。最も機能しているのはアルミ缶回収システムで、昨年は98・7%が回収された。それ以外のシステムはまだ十分に機能しておらず、プラスチックやガラスのリサイクル率さえ20%台に止まっている。
新しいプログラムへの参加は任意だが、連邦政府はリサイクル促進のための投資は年間140億レアルに及ぶと見ている。この金額は、ブラジル国内ではリサイクルされずにごみとなる資源が多い事も意味している。
経済省の戦略担当者のアドルフォ・サシーダ氏は、このプログラムが機能すれば、回収義務が課せられている企業はより少ない経費で義務を果たす事ができるし、回収業者は所得が増える。ごみが減れば社会もより快適になるから、全ての人が益を得るはずと強調している。
なお、連邦政府は固形ごみ削減のため、13日に全国固形ごみ計画も発表している。これらの計画は共に廃棄物管理のためのグリーン経済活動といえる。