《ブラジル》OCPがブラジルに工場建設へ=肥料調達問題解決にモロッコが一肌脱ぐか

ロシアによるウクライナ侵攻で深刻化した肥料調達問題で、農務省の関係者がモロッコの首都ラバトで同国の肥料公社の代表者と会談を行ったと12、13日付ブラジル国内サイトが報じた。
会談の相手は同国の肥料公社でリン酸塩製造などを行うOCPグループの代表者達で、ブラジルにリン酸塩製造ユニットを設けたいとの意向を表明した。
ブラジル農務省の訪問団は、OCPグループの工場建設は連邦政府が3月に発表した全国肥料生産計画に寄与するとし、この提案を前向きに受け止めている。
ブラジルは肥料の大半を国外からの輸入に頼っており、その大半はロシアとウクライナから送られていた。ロシア政府はウクライナ侵攻後もブラジルへの肥料輸出を認めている。だが、ウクライナ危機で海洋輸送にも支障が出てきている事や、税関ストなどで港湾部の貯蔵スペースが不足し、肥料を積んだ船が来ても積荷を降ろせないといった問題も出始めている。
マルコス・モンテス農務相は、OCPグループの展望はブラジルの需要に応えるもので、ブラジルの持続可能性を高めると共に、世界的な食の安全確保にも役立つと評価。「世界最大のリン酸塩埋蔵量を所有する会社と共に、ブラジルには世界のために食糧を生産するための土地拡張が可能で、その共同責任がある」と語った。
モロッコは世界全体のリン酸塩の70%を擁し、ブラジルにとって最大のリン酸塩供給国だ。OCPグループは2010年にブラジルに進出し、7カ所に事務所を開設しているが、ブラジル国内での製造ユニット建設は初の試みだ。