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《ブラジル》TCUがエレトロブラス民営化を承認=連邦政府の希望は6月まで=残された条件の調整次第

2022年5月20日

エレトロブラスの送電網(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)
エレトロブラスの送電網(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)

 連邦会計検査院(TCU)が18日、エレトロブラス民営化に関する審理を再開、7対1で民営化を承認したと18、19日付現地紙、サイトが報じた。
 ラ米最大の電力会社であるエレトロブラス民営化に関する審理は2段階に分かれ、第1段階は2月に終了した。今回の審理は民営化を進めるために必要な最後のステップで、民営化の方法や株式価格などについて話し合われた。4月に始まった審理は、同月20日に出された見直し要請で中断していた。
 18日の審理は唯一の反対票を投じたヴィタル・レゴ判事の投票で始まり、同判事が求めた、エレトロブラスに要請していた会計関連の報告書が整うまでの審理停止を否決後、民営化に関する審理を続けた。民営化は、新たな株式発行の際、最大株主で経営権も持つ国の株式保有率を現在の約60%から最大45%とする形で行われる。
 TCUは同日の審理で、鉱山動力省と社会経済開発銀行(BNDES)に対し、最終調整をかねた要請や指示も出した。同社はブラジルと米国の証券市場に上場しているため、新株式発行による民営化にはブラジルと米国の有価証券取引委員会(CVMとSEC)が要請する手続きをクリアする必要もある。
 民営化が完了する時期は、TCUの審理の遅れにより、連邦政府が希望していた5月中ではなく、6月~8月半ばとなりそうだ。アドルフォ・サクシダ鉱動相はTCUに圧力をかけた際、6月9日からという見解も表明したという。
 新たな株式の発行、売却による民営化はエンブラエルを民営化した時の方法に倣うもので、民営化後は特定の管理者がいなくなる。また、各株主の投票権は持ち株の10%に制限されるため、株主総会などの決定事項に対しても支配的な立場のグループはなくなる。
 民営化で動く金は670億レアルと見込まれており、320億レアルは25年間をかけて、料金調整の幅を押さえ、電力部門への政策を支援するための動力開発勘定(CDE)に振り込まれる。
 253億レアルは、民営化後に行う同社所有の22の水力発電所の契約更新時に国庫に入る。残る97億レアルは今後10年間にわたり、水域開発の投資に向けられる予定だ。


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