《ブラジル》Selicが13・25%に=インフレ高進で11回連続

中銀通貨政策委員会(Copom)が15日、経済基本金利(Selic)を年13・25%に引き上げたと15、16日付現地紙、サイトが報じた。
Selicの引き上げ幅は多くの市場関係者が予想していた0・5%ポイントだった。今回の引き上げは11会合連続で、2017年1月の13・75%以来の高率となった。
昨年中に予想された以上の期間でSelicが引き上げられているのはインフレ高進が抑制しきれていないためだ。だが、5月の広範囲消費者物価指数(IPCA)が減速傾向を示した事もあってか、引き上げ幅はこれまでよりも小さくなった。
それでも、会議後の会見では、8月の会議でも再度の引き上げが行われる見込みである事が明らかにされた。8月の引き上げ幅は、今回と同じ0・5%ポイントか、それより小幅の0・25%ポイントとなる見込みだ。
Copomは既に今年のIPCAを目標上限以下に抑える事を諦めており、来年についても、3・25%プラスマイナス0・5%ポイントという目標を達成するのが難しくなっているとの見方が広がっている。
市場では、Selicは13・75~14・25%で止まると見ているが、それでも、来年のIPCAを目標上限以下に抑えるのは無理と見ている。
Selicは確かにインフレ抑制効果があるが、基本金利が高くなると融資などが受けにくくなり、生産拡大のための投資などが鈍る事で経済が減速する可能性もある。
今回の基本金利引き上げは世界的なインフレ高進傾向とも関係があり、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会も同日、政策金利を0・75%ポイント引き上げ、1・5~1・75%とした。
ウクライナ危機後のインフレ高進で政策金利を引き上げている例は米国やブラジルだけではなく、ペルー中央準備銀行も9日に政策金利を5・50%に引き上げた。金利引き上げの動きは欧州諸国でも出ている。