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《ブラジル》銃輸入が2カ月間で急増=統一選前の駆け込み需要?

2022年9月13日

警察が犯罪者組織から押収した銃を手に取るボルソナロ大統領(Carolina Antunes/PR e Polícia Civil/RJ)
警察が犯罪者組織から押収した銃を手に取るボルソナロ大統領(Carolina Antunes/PR e Polícia Civil/RJ)

 10月の統一選を前に、銃の輸入が急増していると11日付オ・ヴァロール紙電子版などが報じた。
 経済省が入手できるデータによると、7月に輸入された拳銃や回転銃は4万303丁、8月は3万9389丁で、月間の輸入数としては過去25年間で最高だという。7~8月の実績を1日に均すと、毎日1200丁以上が輸入されていた事になる。
 経済省などのデータからは、輸入量が急増している原因は不明だが、火器類の動向に詳しい専門家達は、10月に行われる大統領選挙でボルソナロ大統領が敗北すれば銃の所持や携行、輸入が困難になると考えた人々が、選挙戦前に入手しようと考えた駆け込み需要による動きではないかと見ている。
 現時点での支持率調査では、ルーラ元大統領が一次投票でリードしている上、決選投票のシミュレーションでもボルソナロ大統領を抑えて当選すると見られている。ルーラ元大統領は既に、当選した暁には、自政権で進めていた銃不所持への動きを再び活性化する意向を表明している。
 また、銃の管理を担当している軍が、輸入品の銃の管理の責任を他の機関に移譲したいとの意向を表明したりした事も、輸入が増えた一因である可能性がある。
 拳銃や回転銃の輸入数は1997年が7156丁だった後、1998~2005年のフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ政権で年間3千丁以下に減った。2006~2017年のルーラ、ジルマ政権では最大で年間1万3千丁に増えた。テメル政権の2018年にはさらに2万8300丁に増加。テメル政権での増加は、警官や軍兵士が使用する銃が、国産のタウルスやインベルから、外国産のGlockやBeretta、SIG Saberに変わった事も影響している。
 ボルソナロ政権では銃規制を緩和する大統領令が出た事もあり、2019年に5万4600丁、2020年に10万5900丁、2021年に11万9100丁と増え続けていた。今年に入ってからは月2万丁を超える事があっても、7月までは月2千~9千丁と、19~21年の水準に近い数字で動いていたが、7~8月は急増している。
 ボルソナロ政権に入ってからの銃所持の増加はCACと呼ばれる、収集家、スポーツ射撃の選手・愛好家、猟師からなるグループで著しく、2018年末の総数の3倍に当たる100万丁を超えた事も繰り返し報じられている。


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