site.title

アルゼンチン両院でメガ改革案最終承認=議会通さずミレイに立法権限も

2024年6月29日

今年2月、議会で演説するミレイ大統領(Foto:PR/via Fotos Publicas)
今年2月、議会で演説するミレイ大統領(Foto:PR/via Fotos Publicas)

 アルゼンチン議会が28日未明、ハビエル・ミレイ大統領の経済改革のメガ法案を承認し、特定分野で大統領に特別権限を与える新法を成立させた。長い議論と譲歩の末、最終的な文書は元の664条から238条に削減されたが、非常事態下での大統領令の発令や国営企業民営化、外国企業への税制優遇措置を含んでいる。同日付CNNブラジル(1)が報じた。
 承認された基本法(Ley Bases)は、数カ月にわたる議論と国会議員による一連の修正の結果、当初提出されたものとは異なる形となった。
 大統領府の公式声明で「38人の下議、7人の上議、そして政治指導部の一部の支持を得て、キルチネリズム(中道左派のポピュリズムを特徴とする政治運動)とその共犯者らの妨害による数カ月の遅れを乗り越え、政府はついに自由で豊かな国への道を歩む最初の法律を成立させることができた」と述べた。
 この法律の承認が「長年続く壊滅的な状況」を解決するものではないが、政府における「重要な進展」を認めるものだと強調し、「歴史的な責任を自覚した議員たちの愛国的な活動に改めて感謝している」と述べた。
 「アルゼンチン人の自由の基盤と出発点に関する法律」として、ミレイ大統領の政権初日に提案されたメガ法案は、政治的な協議と議論の末、1/3に内容を減らすことで政府内の合意を得ることができた。その後、今月に上院で何時間にも及ぶ討論の末に承認されたが、その際、議員投票は36対36の引き分けとなり、上院を率いるビクトリア・ビジャルエル副大統領が法案を承認する最終票を投じた。
 新法は、大統領に様々な分野で政令による特別統治権を与え、公的機関の解散と国有企業の民営化を可能にし、労働法を改正し、国内への投資を希望する外国企業に税制上の優遇措置を与える。
 政府が行政、経済、財政、エネルギー分野で緊急事態を宣言し、それに伴う特別措置や法的権限を行使できる期間が1年設けられている。これにより、政府は議会を通さずに立法する権限を持つことになる。
 上院との交渉で、アルゼンチン航空、ラジオ・テレビ国営放送(RTA)、郵便局が民営化の対象から除外された。
 上院は、2億米ドル以上の大型投資に対する税制優遇措置「RIGI」制度の変更を行い、高額給与や個人財産にかかる税金の変更を取りやめるなど、税制面での修正を導入した。
 上院で同案について議論している最中に、デモ隊と警察との間で衝突が発生した。車両やごみ箱が放火され、デモ隊が警察に向けてビンや石を投げつける場面もあった。警察はデモを鎮圧するため、水砲車やバイク、ゴム弾を使用し、少なくとも18人が拘束される騒ぎとなっていた。


詩人アデリア・プラド氏=本年度カモンイス賞受賞前の記事 詩人アデリア・プラド氏=本年度カモンイス賞受賞「『やめて』と言えなかった…」=11歳少女が絵で性的虐待訴える次の記事「『やめて』と言えなかった…」=11歳少女が絵で性的虐待訴える
Loading...