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本社取締役ら迎え20周年祝う=人材派遣フジアルテ伯国社

2025年2月19日

フジアルテ・ド・ブラジル社 設立20周年記念祝賀会の参加者
フジアルテ・ド・ブラジル社 設立20周年記念祝賀会の参加者

 総合人材サービス業を展開するフジアルテ・ド・ブラジル社(森山良二社長)は14日、設立20周年を記念する祝賀会をサンパウロ市内のレストランで開催した。日本のフジアルテ株式会社(平尾隆志代表取締役社長)から大熊真二取締役と樋口和彦執行役員・採用本部本部長が来伯。ブラジルのパートナー企業や、日本企業に就職した人々、日本本社で勤務経験を持ち帰伯した人など、34人が参加し、同社の歩みや今後の展望に耳を傾けた。
 祝賀会は、ブラジルの若手リーダーとして注目を集めるサンビセンテ市のジョニー・ササキ市議会議員と、娘のジュリアーナさんによる日伯両語の通訳で進行。冒頭では、平尾社長からのビデオメッセージが流され、フジアルテ・ド・ブラジル社が2004年10月の設立以来、ブラジルの関係者の協力やスタッフの努力に支えられて発展してきたことへの感謝の意が述べられた。
 日本では1989年の入管法改正の後、フジアルテ株式会社は日系ブラジル人の雇用を本格的に開始。平尾社長は1994年に本社入社し、初めてブラジルを訪れてサンパウロ州やパラナ州で現地の人々と交流した。「日本で夢を持って働きたい」という日系ブラジル人の声を直接聞き、彼らが安心して働ける環境を整えることに強い使命感を抱いたという。

平尾隆志社長からのビデオメッセージを聞く参加者
平尾隆志社長からのビデオメッセージを聞く参加者

 日系人労働者を日本で受け入れて以来、フジアルテは国内外で発生した数々の困難を乗り越え、2010年には「ポロロッカプロジェクト」を立ち上げた。アマゾン川の逆流現象ポロロッカの名称にちなみ、リーマンショック後の景気低迷で在日ブラジル人の帰国が進んだことを背景に、日本での経験を持つ日系ブラジル人や日本人をブラジルで活用し、日本企業のブラジル進出を支援する事業を展開してきた。
 祝賀会では、大熊取締役と樋口執行役員が、フジグループの近況および2023年~2025年度の中期経営ビジョンを報告。現在、日本国内には営業・採用拠点が33カ所、研修センターが7カ所あり、ブラジルの現地法人は41拠点を展開している。2024年度(12月26日時点)の稼働人数は1万157人の見通しである。

左から大熊真二取締役、樋口和彦執行役員・採用本部本部長、森山良二社長
左から大熊真二取締役、樋口和彦執行役員・採用本部本部長、森山良二社長

 また、IMF(国際通貨基金)によると、今年の世界経済は米中経済のリスクを抱えながらも緩やかな回復が予測され、日本では電子部品・半導体市場の拡大が見込まれている。一方、日本国内では少子高齢化や人材不足が深刻化し、約644万人の労働力が不足。そのうちフジグループのスタッフが多く働く製造業では38万人の人材不足が予測され、今年、同社はブラジルから450~500人の採用を予定している。さらに、人材採用から就労までのプロセスを簡略化するため、専用ウェブサイトのリニューアルも進められている。
 最後に、森山社長は「これまで関係者の皆様の支えに助けられてきました。20年続けられたからといって満足するのではなく、30年、40年と次世代へバトンタッチできるよう、事業を継続していきます」と抱負を述べ、日ごろ社内で活躍する女性スタッフに花束を贈り、祝賀会を締めくくった。


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