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赤間学院が新校舎落成式=貧困子弟支援プロジェクト開始=みちへ先生顕彰してサイト新設

2025年3月18日

新校舎
新校舎

 1933年にサンパウロ裁縫女学院として創立され、1971年に私立学校に改組した伝統校「赤間学院」(ピオネイロ教育センター)が15日(土)、サンパウロ市ヴィラ・クレメンチーノ区の同校で新校舎落成式を行い、来賓ら約40人に加え、多くの父兄らが参列して祝った。新校舎には創立者赤間みちへさんの名前が付けられ、その生涯と教育財団の歴史を振り返るデジタル資料館サイト「Centro de Memória Michie Akama(赤間みちへ記念センター)」(https://memoria.fundacaomichieakama.org.br/)も正式に公開された。

 赤間学院の運営母体「赤間みちへ教育財団」(重道フェルナンド・ノブオ理事長)が落成式を主催。新校舎は2階建てで、大型教室が各階に三つ、教務員室などもあり、屋上には娯楽やスポーツができる場所もある。主に2~5歳児を預かる保育所から小学低学年までが利用する予定。

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 正面には創立者の写真が飾られ、両国歌が斉唱された後、イルマ・アカミネ・ヒライ校長は「亡くなられてちょうど20年、今ほど赤間先生の存在感が身近で輝かしく感じられることはありませんでした。デジタル資料館の開始も大きな節目です」と挨拶した。
 清水享在サンパウロ総領事は赤間みちえ先生の生涯を振り返り、1930年に移住した時は5年ほどで帰国するつもりだったが、「移住者が懸命に農業で身を粉にして働いてブラジルに貢献している姿を見て、自分も教育者として一肌脱ぐことを決意して学校を始めた」との経緯を振り返った。
 ブラジル日本文化福祉協会の会長代理、宮坂国人財団理事長として西尾ロベルト氏は「赤間先生は移民子弟の教育に生涯を捧げ、自らの持てるものを全て財団に寄付した。卒業生がその財団を心を尽くして運営してきたことで、現在の学校の姿がある」と述べた。
 重道理事長は「今日は財団と学校にとって記念すべき日となった。新校舎は名前の通り、赤間みちへ氏の教育の理想を実現するもの。昨年から始めた近隣の貧困層子弟120人無料受入れプロジェクト(Projeto Social Pioneiro Vila Progresso)も、彼女の教育理念にかなうもの」と強調した。

落成式で挨拶をする重道理事長
落成式で挨拶をする重道理事長

 同教育財団のパウロ・ギリェルメ・アマラル・トレド評議員会会長は「私は恵まれない家庭に育ったので、兄弟共に社会プログラムの枠でこの学校に入学し、充実した学びを得ることができたことに感謝している。赤間みちへ先生は朝から晩まで生徒に温かい励ましを送っていた。今この学校は彼女の理想を本当に実現することができる」と新校舎落成を祝った。トレド氏はサンパウロ大学法学部卒業後、サンパウロ州司法裁判所判事。パウリスタ大学民法正教授、ノーヴェ・デ・ジュリョ大学教授などを歴任した。
 同学院は幼児から高校生までのクラスがあり、全校生徒数約750人。重道理事長に取材すると、「出生率の減少が顕著であり、幼年期教育に投資して、小さな頃から我が学校に親しんでもらうことが大事。充実した幼年教育を実現するために、8年がかりで建設資金を調達した。同時に高校部の教育にも力を入れ、中学から別の進学校に転校せずに、ここで卒業してもらうことを目指す。これらは中長期計画として実行している」と説明した。生徒の日系人比率は62%だという。


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