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ブラジル・米国貿易=第1Qに200億ドル突破=関税戦争の最中に新記録

2025年4月16日

サントス港(Foto: Porto de Santos/Divulgação)
サントス港(Foto: Porto de Santos/Divulgação)

 在ブラジル米国商工会議所(Amcham)が14日に発表したデータによると、2025年第1四半期におけるブラジル・米国間の貿易総額は初めて200億米ドルを超え、四半期ベースで過去最高を記録した。前年同期比では6・6%の増加となるが、第1四半期のブラジルの対米輸出は96億5千米ドル、輸入は103億米ドルで、貿易収支は引き続き赤字となっていると同日付G1サイト(1)(2)などが報じた。
 Amchamは、両国間の貿易の活発さと二国間関係の強固さを強調し、特にブラジルの製造業の輸出の伸びやテクノロジーとエネルギー分野の高付加価値品の輸入増加を挙げた。
 Amchamのアブラン・ネット会長は、「今回の結果は両国間の経済関係の質の高さと相互利益性を示しており、企業は今後も貿易および投資の拡大を望んでいる」と述べた。また、予見可能性と透明性を基盤とした商業環境の維持が重要であるとし、公的機関と民間セクターの連携による安定的な関係の構築が必要不可欠だと訴えた。
 また、「ブラジルと米国の貿易が今後も両国に革新、雇用、経済発展をもたらし続けるためには、こうした環境の維持が欠かせない」と締めくくった。
 米国政府は3月、鉄鋼およびアルミニウム製品に対する関税引き上げを発表した。それにより、これらのブラジル産製品は対米輸出において価格競争力を失い、輸出が打撃を受ける結果となった。
 商工開発サービス省(MDIC)貿易統計・研究局のエルロン・ブランドン局長は今月初旬、米国の関税引き上げが3月の貿易収支に影響を与えた可能性を示唆していたが、14日には、現時点ではその直接的影響は統計に現れていないと述べている。
 トランプ大統領は先週、米国が不利益を被っていると主張する国々に対して追加関税を課す方針を再確認し、ブラジル製品には10%の関税が適用されることとなった。これを受け、中国やEUは報復措置を検討し、メキシコやカナダも対応を始めていた。
 しかし、トランプ大統領は10日に、関税報復措置を90日間停止し、全ての国に対する関税を一律10%に引き下げる意向を示した。ただし、中国製品への関税は145%に引き上げられたため、中国は米国製品に対し、125%の関税を課す報復措置を導入した。
 こうした情勢の中、2025年第1四半期におけるブラジルの対米工業製品輸出額は過去最高の78億米ドルに達し、国内製造業による輸出全体の18・1%を占めるに至った。
 輸出目では果汁類(74・4%増)、燃料油(42・1%増)、未焙煎コーヒー(34%増)、航空機(14・9%増)、鉄鋼の半製品(14・5%増)が特に増加。また、前年比で111・8%増えた牛肉は、対米輸出品目ランキングで9位に躍進した。
 一方、輸入では、米国からの製造品が89・2%を占め、特に原油の輸入が78・3%増えたが、天然ガスの輸入は減少した。
 商業関係が強化されている一方、Amchamは、米国が課した輸入関税が両国の貿易に不確実性をもたらすと警告している。ブラジル政府は米国の対ブラジル輸出が輸入を上回っていることを交渉の材料として利用し、ブラジルが米国にとって商業的な脅威でないことを強調。特に、鋼鉄とアルミニウムの25%関税撤廃を目指して交渉を進めており、輸入枠の開放も選択肢となっている。


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