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『戦後移住者名簿』を寄贈=JICAから移民史料館に

2025年4月25日

奥から川村次長、山下史料館運営委員長
奥から川村次長、山下史料館運営委員長

 国際協力機構(JICA)ブラジル事務所の川村怜子次長は15日午後、サンパウロ市のブラジル日本移民史料館に、長年の所蔵品だった『戦後海外移住者名簿』34冊を寄贈した。史料館運営委員長の山下リジアさんは「今までは乗船者名簿しかなかった。検索データベースもそれが元になっており、戦後移住者が自分の名前を探しても出てこないことがあった。今後、いただいた名簿を反映させ、より精度の高いデータベースにしていくことができる」と喜んだ。
 たまたま一番上になった1冊をパラパラとめくると、コロニア有名人の天野鉄人さんの名前も。1961年10月13日にボイスヴェン号にて来伯だったようだ。渡航した移民船ごとにまとまった名簿になっており、日本の出身地連絡先、移住先の住所なども書かれており、同船者会などが仲間を探す際にも役に立ちそうだ。
 『戦後海外移住者名簿』はJICA自身が制作したもので、年代別に移住船ごと、ブラジル内の移住先別、南米の移住国別、出身県別などに分類されており、探しやすくなっている。この名簿類は、移住初期からJICAが制作して「部外秘」として大事に保管してきたもの。
 川村次長は「3年前にブラジル事務所に赴任した時から、書庫の中に置かれていたその存在が気になっていたが、なかなか寄贈の手続きができなかった。でもこの度、横浜JICAに問い合わせたところ同じものが保管されていることが分かり、史料館に寄贈して有効に活用してもらうことにした」と述べた。
 貴重なものだけに、すぐには閲覧できなそうだ。山下さんは「寄贈されたものは貴重な歴史資料ですので、いろいろな人がめくったりして古い紙が痛むのを恐れています。まずデジタル化を進め、どのぐらい時間がかかるか分かりませんが、それが終わった段階で一般からの問い合わせに対応するつもりです」と今後の閲覧に関しての方針を説明した。


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