ルーラ=「遺体回収、公費で賄う」=インドネシアで事故死の伯人女性

【既報関連】ルーラ大統領は26日、インドネスアで登山中に滑落事故で亡くなったジュリアナ・マリンスさんに関し、ブラジル人の移送を阻止する大統領令を撤回し、国が移送費を負担すると約束。27日には大統領令を改訂し、官報に掲載した。同日付CNNブラジル(1)などが報じている。
ルーラ大統領は26日、ジュリアナさんの遺体を公費でブラジルに移送することを阻止する内容の大統領令があることは「知らなかった」と述べ、これを撤回すると宣言した。
ジュリアナさんは21日、インドネシアのリンジャニ山登山中に滑落。救出が難航し、遅れたこともあり、24日に救助隊が到達した時は既に息絶えていた。
この件に関し、ブラジル外務省は、この大統領令の存在を理由に、ジュリアナさんの遺体の移送費用を負担しないとの声明を出していた。
外務省によると、「国外で死亡したブラジル人の遺体の搬送は遺族の決定であり、2017年の大統領令9199号第257条第1項に従うと、公費で支払うことはできない」とされていたという。この大統領令では、特定の人道的緊急医療の場合を除いた入院費用なども公費の適用外とされている。
大統領は26日、「ジュリアナさんの父親のマノエルさんと電話で話をし、哀悼の意を伝えた。遺体の移送を含め、遺族への支援を外務省に伝えた」とX上で報告しており、27日に改訂大統領令を官報に掲載した。
新たな条文では、家族が経済的に困難な状況にある場合や費用を賄う保険や雇用契約がない場合、死亡が社会的な混乱を引き起こす場合、予算に余裕がある場合に限り、例外的に公費で移送を認めるとあり、支給決定と手続きの実施は外務省が責任を負う。(2)
ジュリアナさんの遺体は、遺体と共に一夜を明かしたボランティアたちが15時間をかけて回収。(3)航空機でバリ島の病院に運ばれた後に行われた検死により、鈍的外傷による内蔵損傷と出血で死亡したことが判明したという。(4)