site.title

ピザの都サンパウロ=日産31・4万枚⁉

2025年7月12日

僅か4年で国際的な賞も得ているピザ職人のラモス氏(Divulgação)
僅か4年で国際的な賞も得ているピザ職人のラモス氏(Divulgação)

 世界ピザデーの10日、ブラジル・ピザ協会(Apubra)が、サンパウロ市では24年に31万4千枚超のピザが焼かれ、23年の19万955枚/日を64%上回ったと発表したと同日付G1サイト(1)が報じた。
 また、サンパウロ州全体では1日に82・3万枚を焼いており、全国で焼かれたピザ250万枚の約3分の1がサンパウロ州で焼かれていたという。
 この数には店頭販売とデリバリーの双方が含まれている。サンパウロ州はデリバリーの数でも全国1で、iFoodによると、24年は州全体で3600万枚のピザを配達している。今年も既に、1~6月で1900万枚を配達しており、昨年同期比で10%増えているという。
 ピザ人気はサンパウロ市やサンパウロ州だけのものではなく、24年は全国のピザ店の総数が前年比で7・25%増えた。新規参入した店の数だけ見ると、前年比で9・52%増加したという。
 なお、サンパウロ市はピザ関連のイベントでもけん引役で、アニェンビー区では7月14~15日に国内最大規模のイベント「ExpoPizzaria」が開催される。
 また、味でもリードしていることを示すのが、世界で最も権威のあるピザ職人のコンテストの「ベスト・ピザ・アワード2025」で世界トップ100人にランクインした職人達がサンパウロ市にいることだ。
 QTピザ・バーのマテウス・ラモス氏は46位、ピザ・ダ・モオッカのフェリッペ・ザヌト氏は56位、サフィノ・ピツァリアのダニ・ブランカ氏は66位、レジェラ・ピザのアンドレ・ギドン氏は63位だ。
 ラモス氏はリオ市出身だが、8年前にサンパウロ市に転居。その直後にジャルジンス区にはナポリ風のピザ屋がないのを寂しく感じたという。また、近所の店でピザを食べた時には期待していたような飲み物を見つけられなかったため、食べたいピザと飲みたい飲み物を融合させたQTピザ・バーを2019年に創業。
 最初のうちは食よりも経営に重点を置いていたが、パンデミックを契機に、2021年にピザ作りに挑戦することに。一緒に働いていた女性のピザ職人もリオ出身者だったため、故郷に戻って修行をすることにした。ピザ職人としての学びには本やユーチューブ、講座を利用。本場のナポリも訪ね、ピザ職人としての精神なども学んだ。
 ピザの大きさはナポリでの伝統サイズの28センチだが、トッピングには反骨精神が表れ、リオの伝説ともいえる「ピザにケチャップ」を2024年9月の限定フレーバーに採用。自家製ケチャップで顧客を満足させた。
 通常のピザには使わない高級食材も積極的にメニューに取り入れており、フランス料理では典型的なパストラミにベアルネーズソースをかけたレシピもリリース。ピザ職人としてのキャリアこそ短いが、国際的な賞を既に八つ受けている。


別件で呼びかけた抗議デモで50%関税への反発爆発、米国旗やトランプ人形焼き討ちも前の記事 別件で呼びかけた抗議デモで50%関税への反発爆発、米国旗やトランプ人形焼き討ちもサンパウロ市=バス襲撃で地域の偏り判明=40台被害に遭った企業も次の記事サンパウロ市=バス襲撃で地域の偏り判明=40台被害に遭った企業も
Loading...