国際交流基金=日伯130周年記念アート展=「アンティポード、はるかなきみへ」

日伯外交関係樹立130周年を記念し、国際交流基金はサンパウロ市のSESCヴィラ・マリアーナにて、メディアアート展「アンティポード、はるかなきみへ(Antípodas: tão distantes, tão próximos)」を開催する。会期は10月9日(木)から2026年1月25日まで。
本展は、東京現代美術館学芸員の森山朋絵キュレーターが企画し、パナソニック株式会社デザイン部門の協力を得て実現したもの。日本とブラジル――地球のほぼ正反対に位置し、気候や文化が異なる両国を「アンティポード(対蹠地)」として捉え、テクノロジーとアートの融合によって共通するテーマや現象を探求する、次世代日本人アーティストを中心としたメディアアート展。
日本にとってはまさに「地球の反対側」の地理的状況にもかかわらず、歴史的な繋がりの深い国だ。その地理的、歴史的な要素を起点に、テクノロジーを活かした体験型/共有型のメディアアート作品だ。双方に共通する事象、現象、対象に対して異なる発想や新しい見方を提示しつつ、お互いの発想や視点を共有し、相互の理解をより深めることを目的としている。
会期中には、作品の展示に加え文字、錯視や身体、空間、デバイスなど多様な表現を展開する作家たちによる参加型プログラムも行われる。出展作家には、後藤映則、藤木淳、落合陽一、Zombie Zoo Keeperなど、日本の新世代アーティストが多数参加。光学的錯覚、身体表現、空間インスタレーションなど、多様な表現を通じて、観る者に新たな感覚と気づきを促す。
森山氏は1989年より学芸員として東京都写真美術館の創立に携わり、映像メディア展を多数企画。2007年より現職。東京大学、早稲田大学ほかで教鞭を執り、ZKM、マサチューセッツ工科大学、ゲティ研究所にも招聘。大阪・関西万博では「量子・海・宇宙」世界をアートとサイエンスで体感する「エンタングル・モーメント―[量子・海・宇宙]×芸術」展のプロデューサー。
森山氏は「日本とブラジルという〝遠くて近い〟存在のあいだに、テクノロジーを介して生まれる新しい対話を体験してほしい」と語る。「森山朋絵キュレーターとアーティストとの対談」は9日午後7時から開催。申し込みはサイト(www.sescsp.org.br/programacao/encontro-antipodas/)から。
会場住所(R. Pelotas, 141 - Vila Mariana, São Paulo)。詳細は基金サイト(www.jpf.go.jp/j/project/culture/exhibit/oversea/2025/09-01.html)で。