JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(54)=子どもたちとともに学んだ2年=スザノ日伯学園=木下真梨子
サンパウロ州スザノ市にあるスザノ日伯学園で日本語教育隊員として活動している木下真梨子です。
当学園は幼稚部、小中学校の一貫校、および日本語教育を併せ持つ学校として2006年に開校しました。現在は高校まであり、生徒総数は約350名、そのうち約180名が日本語学習者です。
午前はブラジルの教育課程による授業、午後は日本語、太鼓、そろばん、サッカーなどの選択授業を実施しています。また、年間を通して運動会や文化祭、焼きそば祭りなど様々な行事が実施されています。
学校に初めて来たときの印象は「子どもたちの勢いがすごい…」でした。授業中も「先生!先生!」と先生を呼ぶ声が止まりません。
日本の小学校などで勤務したこともない私にとってはまずこの環境に慣れることに精一杯でした。
そのような中で、私の日々の活動内容としては、現地教師の授業にアシスタントのようなかたちで入ることや、数ある行事をスムーズに遂行させるためのサポートが主です。
生徒たちは日々の授業の中で折り紙やダンス、絵などを通して日本語に触れています。
折り紙を折るときや絵を描くときに、やる前から「できないから先生やって」と投げ出しそうになる生徒がいます。
そのような時は「大丈夫だよ、自分でやってごらん」と言って背中を押します。
生徒一人でできた時の嬉しそうな顔をみると、私も一緒に嬉しくなります。
先生がやってしまった方が早いし楽かもしれませんが、そこをぐっとこらえて生徒を信じて「待つ」大切さを日々実感します。
日本語教育を併せ持つ学校として開校したとはいえ、最近ではポルトガル語と英語のバイリンガル教育に力を入れていて、時代の移り変わりを感じます。
そのような中でも日本語の語学という側面だけではなく、文化的な側面も大事にしながら、どうか日本語教育にも今一度力を入れていってほしいというのが私の願いです。
残りの任期も2ヶ月ほどです。ようやく私も学校や生徒に慣れてきて、生徒たちも私に慣れてきたところでお別れになるのは少し寂しいです。
学校や生徒たちのために何かできたか?と聞かれると「何もできなかったな…」というのが本音です。
それでも生徒たちに「そういえば学校に日本人の先生がいたな」といつかどこかで思い出してもらえたら、それだけでも嬉しいです。
この2年間で得た経験やご恩はどういうかたちになるかは分かりませんがこれからの帰国後の人生で還元していきたいです。








