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JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(51)=笑顔のそばに、いつも地域があった=サンパウロ州スザノ市 イペランジアホーム=山路善太郎

2026年2月12日

活動の様子(筆者左)
活動の様子(筆者左)

 サンパウロ州スザノ市にある高齢者養護施設「イペランジアホーム」で、高齢者介護に携わっている山路善太郎です。

 同施設は、緑に囲まれた静かな郊外に位置し、現在80代から90代を中心に、自立して生活されている方から日常的な介護を必要とされる方まで、36名の高齢者が生活を送っています。

 家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりの尊厳と生活リズムを大切にしたケアが行われています。

 私がこの施設で働く中で、特に印象深く感じているのは、地域ボランティアの方々の存在です。

 イペランジアホームでは、地域社会とのつながりが施設運営を支える大きな柱となっています。

 資金確保の取り組みとして、ダリア祭りやアルジャ花祭りなどのイベントに参加し、あんかけ焼きそば、焼き魚定食、天ぷら、唐揚げ、カレーなど、日本食を中心とした手作り料理を販売しています。

 これらの屋台は来場者からも好評で、毎回多くの人でにぎわいます。

 さらに、週末に地域で開催されるイベントにも出店し、そこで得た売り上げの一部を、運営資金に困っている施設へ寄付する活動も続けられています。

 こうした活動に参加するボランティアはすべて無償で、材料や必要な物品も各自が持ち寄っています。

 活動の動機について尋ねると、「人の役に立ちたい」「同じ志を持つ人たちと活動することで、良い人間関係が築ける」といった声が多く聞かれました。

 地域貢献が特別なことではなく、生活の一部として自然に根付いている姿に、深い感銘を受けています。

 施設内では、節分会や七夕、運動会、クリスマス会など、日本の季節行事を取り入れた催しのほか、折り紙や書道、脳トレーニング、ものづくり、体操、ゲートボールなど、さまざまなレクリエーション活動を実施しています。

活動の様子
活動の様子

 入居者の皆さんが真剣な表情で取り組まれる姿や、活動後に笑顔で「楽しかったよ」と声をかけてくださる瞬間は、介護に携わる者として何よりの喜びです。

 また、施設内に掲示した写真やSNSを通じて活動の様子をご覧になったご家族から、感謝や安心の言葉をいただくこともあり、日々の励みとなっています。

 今後も季節感を大切にしながら、入居者の皆さんの興味や関心に寄り添った活動を工夫し、心の充実につながる時間を提供していきたいと考えています。

 地域とともに歩みながら、高齢者が笑顔で安心して暮らせる環境づくりに、引き続き力を尽くしてまいります。


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