《ブラジル》21年は銀行強盗が36%減少=口座保有者攻撃は165%増加

ブラジル銀行連盟(Febraban)が5日、2021年は銀行強盗が36・2%減少したと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
同連盟によると、昨年の銀行強盗は37件で、前年の58件比で36・2%減少した。また、現金自動預け払い機(ATM)襲撃事件は434件から266件に、38・7%減少した。
銀行強盗の件数は2000年と比べると98%減少したという。また、ATM襲撃事件は7年前から減り始めており、21年の件数は、2014年の3584件と比べて92・5%減っている。
同連盟のイザッキ・シジネイ氏は、「銀行業界が新たな技術や新たな製品によって大金を動かす必要がなくなるように努めている事が、犯罪件数の減少を招いている」と強調した。
銀行業界は、防犯カメラの設置や人の動きを捉えるセンサーの設置、その他の治安対策に、10年前の3倍となる年間90億レアルを費やしたという。また、PIXやインターネット・バンキングなどによるデジタル化も大金を引き出したり持ち歩いたりする必要を減らす事に役立っているという。
4日付G1サイトなどによると、21年は銀行口座間の送金の70%がインターネット・バンキングやPIXによって行われた。
ただ、デジタル化の進展で銀行強盗が減り始めたのとは反対に、目立ち始めたのが、口座を保有している人(個人)への仮想(ヴァーチャル)攻撃だ。同連盟によると、21年はこの手の犯罪が165%増えたという。
一例は「あなたのカードが犯罪者によって偽造された可能性がある」などと言って口座番号や暗証番号などを聞き出そうとするものや、銀行からと名乗ってカードを持ち出そうとする例、携帯電話を盗んでPIXで送金するといったケースだ。
専門家は、暗証番号やカードは口座に保有する現金を動かすための鍵だから、誰にも漏らさないよう、警告している。